踏み出す世界は


□踏み出す世界は
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ホウエン地方から旅立って、遥か北東。
そこに、ジョウト地方とカントー地方がある。

「さすがにこっちは少し寒いかもな。私は我慢できるが…ルビーは大丈夫か?」
「大丈夫。あと我慢してるってことは寒いんだろ?ちゃんと上着を着なよ、サファイア」
「む…いちいち細かいぞ。っと、お前は大丈夫か?寒くないか?」

ふかふかの羽を摩ってやれば、相棒は喉を鳴らし力強く地面を蹴って答えてくれる。
大丈夫だと、言葉は通じなくても応えてくれる。
そのことが、何よりも嬉しい。

「ふふ、じゃあもう少し頑張ってもらおうか」
「そうだね、このままのペースならお昼過ぎには着くよ。そしたら美味しいものを食べよう」
「それはいいな!さぁ、行こうかドド!」

ニックネームを呼んでやれば、雄叫びを上げて速度を上げていく私の相棒。
その横を、ライボルトに乗ったルビーが駆ける。
頬を切る風が含む海の香りを、私は胸いっぱいに吸い込んだ。

【踏み出す世界は】

この世界にいる不思議な生き物。
ポケットモンスター…通称・ポケモン。
私たち人は、彼らと共存しながら生きている。
…でもそれは、この世界のほんの一面でしかないことを、私は良く知っている。
だからこそ、私は彼らとの一期一会を大切にしたい。
笑って、泣いて。勝って、負けて、戦って。どんな時も走り続けて。
トレーナーとポケモンの数だけ、物語があるこの世界。

これは−私と、私の友人たちと、そしてポケモンたちの出会いの物語。

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