NOVEL【サーフィンゲーム】

□第1章―招待状B―
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「こんなのに協力してくれる人なんているの?」と、風音は首を傾げた。

 もうパソコンは通常に戻っているし、説明をするとしても事実である証拠を見せることが出来ない。
風音はこんな非現実的な話を証拠もなしに信じてくれる人がいるとは思えなかった。
それに困っているからって、内容もわからないようなゲームにホイホイと参加する奴は超お人よしかただの馬鹿だ。

「多分喜んでやってくれるよ」

 ちょっと電話してくる、と茜はリビングを出た。
どうやら『アイツ』とは、超お人よしかただの馬鹿に値するらしい。
危険も身を潜めているかもしれないのに、とんでもない身の程知らずである。

 風音は大きくため息をついた。
まったく、憂鬱すぎる。
せっかく楽しんでいたネットサーフィンを顔も名前も知らない奴に支配されたのだ。
しかも意味のわからないゲームに無理矢理参加を申し込まされ、挙げ句の果て参加しないと支配し続けると言う。

 今日1日の計画も、夏休み中は毎日パソコンをするという計画も全部丸つぶれである。

「主催者の野郎、どんな顔か見てみたいわ。会ったらぶん殴ってやる」

 風音は腕を組んで、ソファに座り込んだ。


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