NOVEL【サーフィンゲーム】

□プロローグ
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 重たい瞼を擦りながら、机の置き時計を見た。
深夜の4時。
またやってしまった。

 夏休みに入ってから、いつもよりパソコンで遊ぶ時間が増えた。
母親に何度注意されても聞く耳を持たず、ほぼ1日中パソコンとにらめっこである。
気づけば深夜で、悪循環の生活が繰り返されていた。

特に見たいサイトがあるわけではないが、私はネットサーフィンが好きなのだ。
ゲームは好きじゃないからやらないんだけど。

「そろそろ寝るかな」

 私は立ち上がり、台所へ向かった。
冷えきった牛乳をマグカップに注いで、電子レンジに入れる。
寝る前のホットミルクは私の小さな日課だ。
熱々のミルクを猫舌で少しずつ味わう。
1日の締めはやっぱりこれに限る。

 口のまわりについた白い髭を手で拭き取り、私はベッドに入った。


 

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