薄桜鬼〜桜狐録〜*


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京の町の上には、雪が降っていたーーーーー
『はぁ・・・』

私は大きなため息ついた。

家を抜け出してきたはいいけど、流石に疲れてきたなぁ・・・目的地まではまだまだあるし。

私がもう一度ため息をつこうとした時だった

「はぁ・・・・・・・」

横から可愛らしいため息が聞こえてきた。聞こえてきた方を見てみると、一人の女の子がうつむいたまま立っていた。歳は大体私と同じくらいだろう

『・・・大丈夫?』

つい癖で声をかけてしまった。

「えっ!?・・・えっと・・・・」

その子はあたふたしながら、私に何か言おうと必死に言葉を探しているようだ

『・・・あ』

しまった・・・・私、男装してるんだった・・しかも眼鏡とかカツラで顔隠してるし・・・こんなのにいきなり声かけられたら誰でも困るよね・・・
でも、今更ひきさがれるわけもない!

『もし困ったことがあるなら、僕に言ってみてよ。女の子がこんな所に一人で居たら危ないよ?』

「え!?!?」

その時私は気付いた

『・・・もしかして隠してた・・・?』

彼女が男装している事を


『・・・・・・ごめん』

「いえっ!気にしないでください!」

私達は近くの茶店でお茶を飲みながら話していた。

『それで、どうして京の町に一人で来たの?』

「・・・・私は、雪村千鶴と申します・・・実は・・・・・」

**************

『そうなんだ。。お父さんを探してこんな所まで』

「すいません、ご迷惑をおかけして」

『大分暗くなってきたなぁ』

「あ!それでは宿に戻るのでこれで・・」

『危ないから送っていくよ』
そうそう・・・この辺は確か、新選組とかいう人斬り集団がいるらしいしね。私も今日は休もう

「おい、そこの小僧」

あー。こんな時に限って何でからまれるんだろ

『千鶴ちゃん、走るよ』

「はっ、はい!」

「待てっ!!!!!!!!!!」

私達は千鶴ちゃんを連れて物陰に入った。

「おい!お前はその道を探せ!」

やばい・・・

浪士の足音がすぐそこまで迫ってきている。

こうなったら・・・・・

『っ・・・・・!?』

その時、激しい頭痛が襲ってきた。

こんな時にっ・・せめて千鶴ちゃんだけでも・・・

『僕がおとりになるから逃げて!!!』

「そんな事できません!!」

「いたぞ!!!!!!!!!!!!」

もうだめだっ!

そう思ったとき、浪士達の悲鳴と共に血が飛び散る音がした。

『何が・・・・』

獣の鳴き声のような笑い声が響き渡った。目の前には白髪に赤い眼の化け物がいる。

私にはまだやらないといけない事が・・・・・

その時、化け物は何者かに斬られてーーーーーーー

『ーーーーーえ・・・・・。』


「あーあ、残念だな。僕一人で始末しちゃうつもりだったのに、斎藤君こんなときに限って仕事早いよね」

「俺は勤めを果たすべく動いたまでだ」

茶髪の男が近づきこちらを見た

浅葱色の羽織・・・まさか新選組!?

「いいか、逃げるなよ。背を向ければ斬る」

気がつくと、刃が目の前にあった。


バタンッ

後ろで千鶴ちゃんが気を失って倒れてしまったみたいだ・・・・


「千鶴ちゃん!」

ここは大人しく捕まっておいたほうが良いか



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