小説
□館長室の秘密
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「とゆう事で俺の部屋作ってみた」
「は?」
思わず間抜けな声が出てしまった
今私は伊佐奈さんの後ろに着いて水族館の中を歩いている
水族館の中、と言ってもスタッフ入り口から入った裏方の廊下なんですけど
「へ、部屋って何のへッや゛あっ!!?」
な、何も無い所でこけちゃったぁぁぁぁぁぁ///
「大丈夫か?」
しゃがんで目線を合わせながら
伊佐奈さんが顔を覗きこんでくる
「あ、だじっ!!大丈夫です!!」
今度は噛んでしまった…
伊佐奈さんは呆れる様に「はぁ…」と溜め息をつくと優しく頭をわしゃわしゃ、と撫でた
「気をつけろよ?怪我したらどうするんだ」
心配……してくれてる…!
伊佐奈さん…!!///
「華が今怪我したら……
新しく作った部屋が見せられないだろ」
「伊佐奈さん酷い!!」
にこっ、と笑ってもう一度頭を撫でて立ち上がった
かっ、かっこいいと思ったのに
「ほら」
立ち上がろうとした私に手を差し出す
訂正。やっぱりかっこいいです///
「ありがとうございます!」
伊佐奈さんの手をギュッと掴んで立ち上がる
「さ、早く行くぞ」
伊佐奈さんはそのまま私の手を引きながら歩き始めた