小説

□だから、俺は、ひきこもる
1ページ/3ページ

最近華が来ない
連絡しようにも、華の携帯アドレスを知らない

聞いておけばよかったな
未だに連絡手段がシャチだけってどうなんだ?













早く会いたいなぁ
もういっその事俺がアッチに行こうかな




するとトントンと扉を叩く音と同時に「蒼井を連れて参りました」とシャチが報告をした



「入れろ」と言うと少し間を空けて扉が開いた


シャチと何か話していたのか、
笑顔でシャチの方を向いている


シャチてめえ…
俺の華たぶらかしてんじゃねぇぞ












「失礼します。お久しぶりですね伊佐奈さんっ」

そう言ってタタタッと小走りで俺の所に寄ってくるが
机の角に膝を打ち付け(何で?)悶絶している












しばらくして痛みが無くなると
俺の座っているイスの隣に立ち
じーっと机の上に乗っている資料を眺め始めた


そんなに珍しいものだっただろうか





























華が「むむっ?」と首を捻り出した辺りで名前を呼んでみる




「華」
「はい?」
「華」
「だから何ですか?」


華がこっちを向く


「華」
「はぁ………何ですかってば」


と呆れた様に半目になる華の腕を取り腰を支えながら引っ張る


「うわっ!!」

いきなり体を引っ張られ、バランスを崩した華は簡単に俺の膝の上に座らせられた



小柄な華は俺の体にすっぽりと収まる
それが心地良かった

なんなら俺の為に生まれてきたんじゃないのか?華は










ようやく事態を把握した華が顔を真っ赤に染める

「伊佐奈さんっ?」

俺は華の顎に手を添えこっちを向かせる


「華…」












あ、言うの忘れてたけど今はヘルメット付けてないんだよ

あんなのずっと付けてたら肩凝る





「伊佐奈さ………んッ///」

俺の名前を呼ぶその唇を俺の口で塞いでやる



顔を離せば更に顔が赤くなっていた

"茹で蛸"って水族館に展示しようかな



軽いキスだったのに照れちゃって可愛いなぁ



















そうだ
さっきシャチと話してたんだったな





「さっきシャチと何話してたんだ?」


さっきのキスで照れてしまいもじもじとしながら答える


「えと、サカマタさんが"蒼井"って呼ぶので"華"で良いよ、って」
「ふーん」





華……………
余計な真似を………


今絶対アイツ浮かれ上がってやがる

華が帰ったら潰さなきゃな
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ