SONG

□ハンマーソングと痛みの塔
1ページ/1ページ

どんどん強く もっと強く
唄声響く痛みの塔
そのてっぺんに しがみついて
震えてるのはどちら様


捨てたくても捨てられなくて
小さな痛み溜まってた
そいつをずっとしまってきた
一個目の箱満たされた


別に今更辛くもないけど
誰かが見てくれたらな
これだけあれば許されないかな
少し優しくされるくらい


捨てたものも拾って詰めて
満タンの箱積み上げた
通りすがりを横目に見て
十個目の箱積み上げた


そうか
これでもまだ足りないのか
誰にも見えてないようだ
それじゃどんどん高くしなくちゃ
世界中にも見えるくらい


どんどん高く もっと高く
鳥にも届く痛みの塔
そのてっぺんに よじ登って
王様気分の何様


何事かと大口開けた
やじ馬共を見下ろした
ここから見たらアリの様だ
百個目の箱積み上げた


お集まりの皆様方
これは私の痛みです
あなた方の慰めなど
届かぬ程の高さに居ます


きっと私は特別なんだ
誰もが見上げるくらいに
孤独の神に選ばれたから
こんな景色の中に来た


どんどん高く もっと高く
雲にも届け痛みの塔
そのてっぺんに あぐらかいて
神様気分の王様


聞こえるのは風の音だけ
千個目の箱積み上げた
下を見たら目眩がした
掛けた梯子飛ばされた


そして
本当に寂しくなった
誰にも見えてないようだ
声も出ない程 怖くなった
ふいに聴こえたハンマーソング


下から順にダルマ落とし
誰かが歌うハンマーソング
皆アンタと話したいんだ
同じ高さまで降りてきて


どんどん強く もっと強く
唄声響く痛みの塔
そのてっぺんに しがみついて
鼻をたらしてる神様


神様気分の神様
俺様気分も逆様
有り様 どちら様

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ