ウルトラマンゼロIF―ジ・アナザーサーガ―

□EPISODE01『プロローグ』
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Aパート



 ここは『M78ワールド』と呼ばれる宇宙。この宇宙には光の巨人『ウルトラマン』達の故郷である光の国がある宇宙でもある。
「帰ってきたな………俺の宇宙」
 宇宙空間にワームホールが発生し、中から青いクリスタルが埋め込まれた白銀の鎧と剣を装着した、赤と青の体を持つウルトラマンが飛び出してきた、彼の名前は『ウルトラマンゼロ(ウルティメイトゼロ)』だ。別の並行宇宙『アナザースペース』にて銀河帝国を築いた悪のウルトラマン『カイザーベリアル』との決戦を経て、その宇宙でできた仲間達と別れを告げて、このM78ワールドに帰ってきたのだ。
 ワームホールから出てすぐ、体に装着していた時空を越える事ができる『ウルティメイトイージス』とその武器であるウルティメイトゼロソードが粒子状に分解され、左腕にその光の粒子が集結し、白銀のブレスレットとなり、手首に嵌められると、銀色のプロテクターと青く光る発光器官『カラータイマー』が見え、両手を広げ挙げて暗闇に青い軌跡を残しながら突き進んでいく。
「これがなかったら帰ってこれなかっただろうな………」
 ウルティメイトブレスレットを見て呟くゼロはアナザースペースでの冒険を思い出す、辛かったが楽しかったあの日々、もう少し残っておけばよかったな、と思うも、先に光の国に帰還して宇宙警備隊にベリアル銀河帝国との戦いを報告をしなければならない、どんなにはっちゃけていても、そういう所ではしっかりしていた。
 早く帰ろ、そう思い飛行速度を上げたとたんに、なんの前触れもなく後ろから青白い火炎弾と金色のレーザーが迫ってきた。火炎弾が迫ってくるのを瞬時に反応したゼロは体を左に傾けて移動し、火炎弾とレーザーを回避した。
「なんだ!?」
 振り向くと自分の後ろを青白い光球とコンロのような金色の円盤が物凄いスピードで追尾してきていた。光球からは先ほどと同じ火炎弾が連発されてきて、ゼロはそれを左右上下に移動して避けていく。
 後ろに付かれてしまっていては戦いにくいと考え、足場となる場所がないか、辺りを見渡す。そこで見付けたのは小惑星帯だ、足場になりそうな大きめの小惑星を見付けるとそこに向かって飛んでいき、光球と円盤もゼロを追い掛ける。
「ゼヤッ!!」
 ゼロが小惑星の上に降り立つと青白い光球も降り、光が消えて背中に無数の刺が生え、肩から巨大な角が伸びた『宇宙怪獣ベムラー』の強化態『宇宙怪獣キングベムラー』が現れる。円盤はその隣で変形した、変形と言っても簡単なものだが一番の特徴は三つの首だ、黄金の細い体を持つのは機械の竜『宇宙竜ナース』に酷似した『宇宙竜ナーガ』だ。
「ベムラーとナース……いや、違うか」
 どちらとも特徴は似ているがまったく別の怪獣であるのは察せた。
「だが、相手にとって不足はねぇ! ぶっ潰してやるぜ!!」
 師匠直伝の指を大きく伸ばし、広げた手の平を突き出す宇宙拳法の構えを取ったゼロ、その構えに反応したキングベムラーとナーガは口から光線を発射してくる。それに当たらないために走りだすゼロ、光線は地面に着弾し爆発していく、その炎と煙の中を走り抜け切るとナーガは高い位置へ舞い上がって距離を取り、ゼロはキングベムラーに飛び掛かってしがみ付いた。キングベムラーにしがみ付いたゼロは逃がさぬように左手で右肩の角を掴んで二、三発パンチを側頭部に浴びせた。
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