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□さぁ!俺を好きになるといい!
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立海一のモテ男幸村精市は

神の子からただの変質者になったようです。





「結衣」

「………」

「結衣、ツンデレかい?ツンデレのつもりなのかい?」

「……」

「あぁ、そうやって俺の気を引こうとしてるんだね。なんて健気なんだ!」

「ああああうるさい幸村あぁ!!」



ダメだ。もうこいつは本格的にダメだ。誰だ幸村に王子様とか神の子なんて言ったの。



「幸村うるさい。しかも勝手に名前呼びしないでついてこないで」

「俺と結衣の仲なのに…冷たいじゃないか」

「今年初めて同じクラスなっただけの浅い仲で何が冷たいのよ」

「浅くないよ、それにこの数カ月ずっと席が隣だったじゃないか!」

「ああうんあれは一種の怪奇現象だったね。何度委員を恨んだか」

「まあ本当は俺が色々やって結衣の隣をキープしてたんだけどさ」




あ、今さらっとカミングアウト。
だからあんな隣だったのか。よかったよ委員恨まなくて。てか色々って何?めちゃくちゃ気になるんだけど。




「ふふ、知りたいかい?」

「や、やっぱりなんか怖いんで遠慮します。とゆうか心よむな」



色々の詳細を聞いてしまったらもう戻れない気がしてならない。

それより心よむの本当やめてほしい。プライバシーの侵害って言葉を知らないのか。



「それより結衣、いつになったら付き合ってくれるのかな?」

「幸村と付き合う日なんて一生来ない」

「どうしてだい?」

「幸村のこと好きじゃないから」




はっきりそう告げると


「なんだ、そんなことか!」



とぱっ、と笑顔になる幸村。

そんなことって結構重要だと思うんだけど。



「俺は容姿は申し分ないし頭もいい。テニスだって負ける気は微塵もないしキスもセックスも上手いよ!それに結衣を虐めようなんてする奴は排除してあげる。なにより結衣をこんなに愛してるじゃないか!」




こんな最高な彼氏いないだろ?と言ってばっと腕を広げる幸村。




「結衣!」







さあ!俺を好きになるといい!


(……)
(ね!)
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