拍手にあった小説群

□イメチェン論争
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イメチェン論争


「という訳で皆に伊澄君に似合う格好を考えて欲しい!」


「そんな用で神父さんは僕を呼んだんですか?」


「てかなんで俺まで呼ばれてんだよ!?関係ないだろうが」


「君は伊澄君が好きなのだろう?神の使いにわからん事はないのだ」

僕とワタル君は神父さんに呼ばれて伊澄さんのお屋敷に居る。大変な事が起きたから来てくれと呼ばれたら……こんな現状


「なっ!?馬鹿言うなよ!?」


「まぁこれはさておき、だ。どんな服装かというのが先決だ。ちなみにアバウトなものは許さん」


「はぁ………」

面倒くさい注文をしてくれたもんだ。借りがあるだけに断れないし納得しそうな案を出しておこう


「ベタにチャイナ服とかで良いんじゃないでしょうか?」


「そうなるとやはりポニテにせねば魅力を引き出せないが………あの長髪あっての伊澄君だ。アリと言えばアリだが」

いちいち注文が細かいですね………ってワタル君!?顔がやたら赤いですが大丈夫なんですか!?


「し、心配いらねぇ…………やっぱり伊澄の魅力を完璧に出すには、袖から少し手が出るくらいのサイズのパーカーを着せて、デニムのパンツとかで決める。これが最強の組み合わせだ。これだけは何があっても譲れねぇな!」



「さすがはワタル君。マニアックにも程があ「んなマニアックじゃねぇだろ。一見ミスマッチに見えるせいで借金執事にはマニアックに見えるのかもしれんが俺は決してマニアックなんかじゃない」



「ほぅ……なかなか珍しい組み合わせだな。だが、なかなか良い。露骨に萌えを狙っていない普通の格好の割には、男心を刺激する素晴らしい服装かもしれないな」


よくわからないですがマニアックな人達で盛り上がってるみたいですし、勝手にさせときましょう


「だろ!?だよな!?ところでアンタの考えてる伊澄に似合う服装はなんなんだ?」


「聞きたいのなら教えてやろう。伊澄君に似合う服装。それはっ………!」


「それは?」

どうせこの人(もう死んでるから人じゃないけど)はたいしたこと言わないだろうけど、気にならない事もない


「それはニーソ単騎だあぁぁぁああ!」





……は?ニーソ単騎?どういう意味なんだ?


「アホかお前はあぁぁあっ!ニーソ単騎とか……危ないにも程があんだろ!?伊澄がそんな姿になったら………なったら……っ……」


あ、ワタル君が鼻血を出しかけて無理矢理止めたせいで倒れた………一体どんな姿を幻視したんだろう?


「ふっ……わからないのか少年よ。ならば教えてやろう。な〜に簡単な話だ


ただ単にニーソを身につけるだけだ」


「意外に健全ですね……神父さんならもっと極悪な格好を強制すると思ってました」



「何か勘違いしていないか君は?ニーソ単騎って言うのは



ニーソ以外何も身につけないって意味だぞ?」







……………………










「どんだけアホなんだお前はあぁぁぁああっ!?」




僕の右手が真っ赤に燃えるっ!悪を砕けと轟き叫ぶ!

「色々間違ってるが危ないぞ、その技は!下手すれば死んでしまうぞ!?主に私が!」


「もうアンタ生きてないじゃないでしょうがっ!」



「た〜し〜か〜に〜」



こうして悪は滅びた………
僕の眼前には二体の屍が横たわっていた。安らかに眠ってください……ワタル君


→あとがき
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