拍手にあった小説群

□GONG鳴らせ!
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GONG鳴らせ!


俺の名は 薫 京ノ介。金持ちの御令嬢や御子息が通う私立名門校の白皇学院で体育教師をやっている。

給料は周りの同年代のヤツらより貰っている方で、土日も休みだ。だが休みとは言え、授業計画などを立てないといけないので、そこまで楽ではない。



まぁ他人から見たらとても恵まれた環境にいて、この話を聞く限り悩みもなさそうに思うかもしれない。


しかし、だ。

実を言うと今重大な悩みがある。正確に言えばもっと前からの悩みかもしれないのだが、そんなことはどうでもいい。






アイツのコトなんだよ。
学院での同僚、高校の時はクラスメートだったアイツ……




どうにも………この気持ちに嘘はつけないらしい。




だが長い間一緒にいただけに話が切り出しづらい事この上ない。この気持ちに嘘はつけないから、いつかは告白しなきゃならない。


だけど俺は……怖いんだ。もし気持ちを伝えて今の関係が壊れてしまったらと思うと、全身が見えない何かに引っ張られている感覚に陥ってしまう。





あぁっ!何で暗い感じになってんだよ俺!?こんなんじゃどうにもならねぇだろ!?

………暗い状況を打破する為に録画してたアニメでも見るか………










『もう……お前はいないんだな………』


テレ東の番組が最後に録画されてたから電源をつけた時の表示はテレ東になっていた。多分昔のドラマの再放送か何かだろう。




『この気持ち……どうしろってんだよっ……!?』



何故かは知らないが偶然つけた再放送のドラマ(多分)に思わず見入っていた





『どんな事になろうと……絶対に伝えなきゃならなかったんだな………』


そのドラマはまるで今の俺の心境と同調しているように見えて、俺の中の何かが揺さぶられた気がした。






男にはやらなきゃならない時があるって言うが、今がその時なのかもしれない。でなきゃこんな都合よく俺を諭すようなドラマが流れる訳がない……よな?




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