Rank.D 異能を持つ学生達
□第二条 教諭の喋る時には私語厳禁。
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「で、これはどういう事なんです〜?」
そう言う姫華の目には目隠しがされていた。
「まぁ、感覚を養う特訓だ。」
「どういう事です〜?」
「その目隠しをしたままアタシの投げるものを避けるんだ。」
「そんなの出来るワケ…「これが斎雅(サイガ)先生から提示されたゲームだとしてもか?」
ピクッ
無茶な難題に文句を言う姫華だったが、昴の口から自分の父の名前が出た途端、雰囲気が変わる。
「先生、今何と仰いました?」
「斎雅先生からだ。」
「その後です。」
「ゲームだ。」
「ゲーム…フフッ…そうですか。ならば話は別です〜。」
父からのゲームだと聞いた途端に笑い出す姫華。
「うーん…何故、斎雅先生はこう言えば姫華がノッてくると思ったんだ?」
「先生、それはですね。ワタクシがお父様から受けたゲームを全てクリアしたからです〜。」
「ん?それとこれはどういう関係が…?」
「最後のゲームをクリアした時、ワタクシが言ったんです〜。"お父様、新しいゲームならいつでも受け付けます。"ってね。」
「なるほど。」
昴は苦笑しながら納得する。
「早く始めましょう先生。一ヶ月。いや、このゲーム。半月でクリアしてみせますわ。」
そう言って姫華は犬のように無邪気に笑うのだった。
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