1夢〜40夢
□俺の子育て?
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真冬の寒空の下を用を済ませて船へと帰る途中だった。路地裏に1人の少女がうずくまっていた。
―捨て子か…?
そっと近寄ってみれば俺の足音に気が付いたのか目だけを俺に向けた。
「…お前、死ぬのか?」
『……………』
―ククッ…喋る気力も
ねェのか……。
こんなに落ち着いた世の中だというのに捨てられ野垂れ死ぬ餓鬼は少なくない。俺には関係ないが。
だが、俺は餓鬼の目が気に入った。この年くらいなら光のある瞳は黒く深く淀んでいる。
この世を恨み、憎んでいる目、この世を呪い死のうというような目…
―生かすか…