novel

□あの子のチョコレート
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「ナルト、お前にだ。」

「へっ?」

渡された小綺麗な包みを前に、ナルトは目を丸くした。

「えっ、こ、これっ?」
我愛羅から?
嬉しさが高まりすぎて声にできないナルト。だが、それは我愛羅本人によって打ち砕かれた。

「大通りの、どこぞの店の娘からだそうだ。」

途端に肩から力が抜けた。


あの子の
チョレート


「…なんだ、その顔は。作ってくれた者に失礼だろ。」

「い、いや…だってさ…」

バレンタイン。サクラが義理チョコをくれたということだけでウキウキとしていた所に、わざわざ自分の為に作ってくれた子が居たのだ。
だが、外国の、何処の誰だかわからない子から貰っても、イマイチ気分が乗らない。
それも、ぬか喜びの後に。

「それにしても、何で俺に?」

頭に疑問符を浮かべるナルトに、我愛羅が説明した。

「暁の一件のことや、しばしば砂に訪れているせいもあるからな。お前はうちの里でも結構有名だぞ。」
「ふ〜ん。」

有名と言われても困る。やはり、一番欲しい相手から、そういう物は貰いたいものなのだ。





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