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□愛のかたまり
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「クリスマス、一緒にどこかへ行きませんか?」
「えっ?電車に乗って?」
「そうッスよ」
「やだよー!海堂が痴漢に遭わないか心配だよー!」
「アンタ、オレは男だっ!」
心配性ッスよ、先輩。
でも、それが嬉しいなんて絶対言ってやらねぇ。
「知らないオジサンについていっちゃダメだからね?」
「アンタも一緒にいるだろーが」
とか言うけど、アンタと同じ匂いがすると
アンタの体温を思い出すからついて行きたくなっちまう。
「あそこの商店街には先輩の好きそうなもの一杯あるんスよ」
いつも教えてもらってばっかりだから
たまには教えてやりたいし
見せたいものもたくさんありすぎるんだよ。
だってオレの言葉や仕草は全部アンタの為にあるんだからな。
「海堂〜!」
「ばっ!抱きしめんじゃねぇっ!」
「だって海堂ってばオレのこと考えてくれてるんだもん」
「あー!もう!」
嫌がってるフリしてるけど
強くアンタに抱き寄せられると
アンタで良かったって思う。
クリスマスなんていらねェぐらい。
いつまでも愛し合えますように。
メリー・クリスマス
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