妄想日和
□意識 中編
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『……口ん中…熱いんだ……』
『水…飲めよ』
『動かねぇ…』
『…だったら、どうすれば…」
『………飲ませて。』
数日前、風邪を引いてザックスに看病して貰った。その時熱に犯され意識が朦朧とする俺は、気だるさ故に我儘を言いまくって
ザックスに
口移しで薬を飲ませて貰った………
虚ろな記憶は冷静に振替ってみるとかなり恥ずかしいもの。
忘れてたんじゃない
あの後、ザックスはいつも通り普通に俺と接してたから
アイツからしてみたら、どうって事無いんだと、俺も敢えてその事には触れずに
思い出さないようにしてたんだ。
けど。
あれって………
…キス、だったんじゃないかな…
甦る記憶に顔が熱くなり初め、洗い物を済ませたキッチンで食器を拭きながらあの時の事を思い出していた。
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