企画

□最愛の君へ
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ゴールデンウィークまっただ中、学校も休みの今日、5月5日は大切なあの子の誕生日だ。


最愛の君へ


ピーンポーン

聞こえてきたチャイム音に返事をして、弱火にする。今日は大切なあの子の誕生日だから、あの子の大好きなものをたくさん作った。

(喜んでくれるかな)

ウキウキした気分で玄関に急ぐ自分に苦笑しながら、ドアを開けた。

「いらっしゃい」
「あ、おじゃま、します」

何回だって来たことがある部屋なのに、毎回緊張したように部屋に上がる土方が愛しい。『どうぞ』と声をかけて、部屋に上がらせ適当な場所に座らせる。
いつもは散らかっている部屋も特別な今日はどこもかしこもピカピカだ。

「腹へっただろ?飯食うか?」
「あ、はい。いただきます」

お昼の12時も少しすぎたころ、ご飯を食べるにはちょうどの時間。土方の目の前に次々と料理を並べていく。もちろんマヨも忘れない。

「こんなに作ったんですか?先生が?」
「おう、ほら食え食え」
「い、いただきます」

おずおずと食べだした土方を眺めていると、あることに気づいた。

「土方、マヨかけなくていーの?」
「あ、忘れてた…」
「へ?」
「先生、のが、美味しすぎて」

(今、凄いこと言ったよね!この子!え、ちょっ、聞き間違えじゃないよね!)

固まっている俺の横で土方は赤くなった顔を隠すようにご飯を掻きこんでいる。

(あぁ、こんなに幸せでいいんだろうか)

「ごちそう、さまでした」
「お粗末さま。美味しかった?」
「旨かった、です」

よし、と食器を片付ける。土方が手伝おうとしたが、座っといてと声をかける。
ケーキを持って戻ると、ウトウトしている土方がいた。

(あー、昨日まで合宿だったからなぁ)

「ん、あっ先生」
「寝てていいよ。お昼寝しよっか」

にっこり笑って、土方の横に寝転ぶと安心したように擦り寄ってくる土方。
トントンと背中を叩いてあげるとすやすやと寝息をたてて寝はじめた。

「誕生日おめでとう」

髪を上げて額にキスをする。そして、そっと左手を持ち上げて薬指にリングを嵌める。

「生まれてきてありがとう。」

起きたらもう一度言うからね。


目が覚めた君が起きて泣き出すまであと少し。



G to T "plus cher vous"


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3Zは指輪を絶対入れたかった!
指輪に刻まれ文字はフランス語で"最愛の君"という意味です。


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