捧げ物
□好きな人
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緑茶葉様のリクエスト小説「同級生銀土の切→甘なR18」です。
本人様のみお持ち帰り可です!
前の席に座っている寝ている銀髪の幼馴染みに、俺は長い間片想いしている。
でも、銀時にとって俺は只の幼馴染みにしか過ぎないことは分かりきっていた。銀時には彼女が途絶えたことが無かったから…。
来るもの拒まず、去るもの追わずの銀時が唯一俺との関係だけは繋ぎとめておきたいらしい。だから、俺はこのポジションから抜け出せない。いや、抜け出せなかった。
「十四郎ー、はいプリント」
「あぁ、進路調査か」
「十四郎は大学行くの?」
「あぁ。」
「何処の大学?」
「まだ決めてねぇよ」
「決まったら教えろよー。俺も同じとこにすっから」
「は!?」
「文句は聞きませーん。決定な」
ニヤリと笑い前に向き直る銀時に俺は真っ赤に染まった顔を隠すのに一杯一杯だった。でも…
「もう一緒にいられねぇよ」
「ん?」
「何でもねぇよ」
ボソリと呟いた言葉を笑顔で誤魔化した。
もう、俺は気持ちを抑えることはできねぇんだ。だから、だから…
俺はお前から離れるんだ…
すまねぇな、銀時…
好きな人
「十四郎ー、今日何時まで残るの?」
「あー、今日は遅くなるし先生のとこ行ってくるから。先帰ってろ」
「へーい!じゃあな」
銀時を先に帰して、担任の元へと向かう。手には進路調査表を持って。
「土方。本当にあの大学でいいのか?」
「はい。ここで大丈夫です。」
「わかった。じゃあ手配しとくな」
「ありがとうございます。では、失礼しました。」
1時間弱の面談を終えて、教室に戻り家に帰る支度をする。
ふと、鞄に教科書を詰めながら前の席をみた。
そっと机に手を触れて椅子に座る。
あと半年もしたら、二度と銀時と会うことはないだろう。
そんなことを考えてるとふいに涙が込み上げてきた。
溢れてくる涙を拭うこともせず、机に顔を埋めて落ち着くまで泣いていた。