捧げ物

□強さと弱さ
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瑠華さんとの相互記念小説で「原作銀土で銀時がとにかく土方を甘やかす」です。
本人様のみお持ち帰りください。



強さと弱さ

『おい、銀時。今日一日空けとけ』

と愛しの土方くんから電話があったのは夜中の2時頃で寝ぼけながら俺は了承の返事をした。

「いつ来んのかねぇ。あの子は」

すっかり目が覚めた俺は万事屋のソファーに座って、いつ来るかもわからない土方の帰りを待つ。

きっと何か嫌なことがあったのだろう。こうやって電話してくる時はいつもそうだ。

(さて、どうやって甘やかしてやるかねぇ)

そんなことを考えながらソファーに寝転がり、目を閉じた。



ブチッと電話切ったあと、少しの後悔が襲う。また俺はあいつに頼るのかと。でも、『鬼の副長』と呼ばれる俺が唯一元の『土方十四郎』に戻れるのはあの男の前だけであるのは明白で、強くなれない自分を悔やみながら、隊服を脱ぎ着流しに着替えて屯所を抜け出した。


ガラリと勝手知ったる万事屋の玄関を開け、音を立てないように中に進む。居間につくとソファーでグースカ眠っている馬鹿を見つけて、こんな時間に来るんじゃなかったとまた後悔。

「おい、銀時。寝るなら布団で寝るぞ。起きろ馬鹿」
「んっ、んー?ひじかた?お疲れさま」

目を覚ました銀時にぎゅっと抱きしめられずっと我慢していたものが溢れでる。
「ありゃ?泣いてんの?土方」
「泣いて、ねぇ。こっちみんな」

精一杯強がってみるも、銀時にはバレバレで。だけど、泣いていることには触れず抱きしめる腕の力を強める銀時に感じるのは優しさで、また涙が込み上げてくる。

「何があったか話さなくてもいいからさ。俺に甘えてなさい。」

憎まれ口を叩く暇もなく抱きかかえられ、寝室に連れていかれた。抵抗するのも面倒でされるがままだ。

「お姫様。して欲しいことは何?」

涙で濡れた頬をなぞる銀時の指は優しくて、全てをこの手にゆだねたくなる。

「マッサージしろ。どこそこ痛いんだよ。」
「はいはい」

俺の言い方に苦笑した銀時は俺をうつ伏せにしてマッサージを始めた。優しい指使いに仕事で疲れた身体はウトウトし始める。「眠っていいよ」のその一言で俺は意識を落とした。



「あ、寝ちゃった」

スヤスヤと寝息を立てる土方に気付きマッサージをやめる。土方は泣き虫だ。(俺の前限定だけど。)ストレスが溜まりすぎ、ああやって安心させるとすぐに泣き出す。

少し赤く腫れた目元をそっと指先でなぞり、キスを落とした。


いつも誰かの盾になっている土方の盾になれるのは俺だけ


「おやすみ。土方」

上からそっと抱きしめ俺も隣で眠りについた。



end.
瑠華さんへお礼→

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