捧げ物

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十六夜様のリク
「原作かZ3でヤキモチする土方」です
本人様のみお持ち帰りできます


(あぁ、くそっ!何でこんなイライラしてんだよ)

俺がイライラしている原因は認めたくないが、銀髪のヤツのことだ。
いつも『先生、先生』とついて回っていたくせに、いきなり姿を見せなくなった。
最初は居なくなって清々したと思っていた。…でも、それが3日、5日…と続くうちに、なんだか心配になってきてしまった。

何かあったのかと、悪いことばかり考えてしまうようになり、ついには坂田の教室にまで見に来てしまうようになってしまった。

「あははっ!ちかちゃんの話おもしろい!」
「でしょー?でね、銀ちゃん…」

「…っ!」

あぁ。なるほどそういうことか…。

「あれ?土方先生?どうしたの?」
「あ、いや。ちょっと体調が…」
「え?大丈夫ですか?」
「あ、あぁ。」

入り口で突っ立ていた俺に声をかけてくれたのは志村で、軽く流して俺は準備室に急いだ。

「ふー…」

わかっていたことだった。坂田が俺をただからかっていただけだってことは。いつだって本気じゃなかったってことも。俺が…、坂田を好きだってことも。

今、こんなに苦しくて切なくて…。
あぁ、気づかないふりをしていたかった。

ふいに溢れてきた涙はすっと伸ばされた手によって拭われた。

「…さ、かた…?なんで…?」
「先生が泣いてると思ったから。」

「泣くとは思わなかったなぁ。ごめんね?」と坂田は呟いた。意味がわからなくて坂田の顔を眺めているともう一度「ごめんね」と言って坂田は話し出した。

「先生のところにずっと行かなかったのは、わざと、なんだ。」
「は?」
「そうしたらヤキモチ妬いてくれるかなぁって思ってさ…。まさか、泣くとは思わなかったけどね」

そう言って俺の頭を撫でる坂田に俺は沸々と怒りが込み上げてきた。

「何でんなこと!」
「…先生の気持ちが知りたかったんだ」
「は?」

少し切なそうな顔をして坂田は言った。「先生が何も反応しなかったら先生を諦めるつもりだった」と。

「だからって!」
「うん。ごめんね?先生も俺のこと好きだってわかったしね」

ふわりと微笑んで坂田は俺を抱き締めた。

「もうあんなことすんなよ。」
「はーい。先生は会えないと寂しくて泣いちゃうみたいだから、ちゃんと毎日くるよ?」
「バーカ。」

幸せな日々はもうすぐそこ。


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