短い夢
□相アイ傘
1ページ/1ページ
「うっそぉ………降ってる……」
今日は驚くくらいの晴天
バイト先の甘味屋も今日は倍くらい忙しく、仕込みも無くなり昼で完売店じまいとなり暇を持て余した私はショッピングと洒落込んでいた
3時間ほどショッピングを楽しみさあ帰ろうか、という時にこの雨だ
「最悪…」
ポツリと呟いた台詞は雨音でかき消された
周りは用意周到に傘を開け帰路につく人や雨宿りにと店へ入っていくカップル達
(よもやこんなに早く使うことになるとは……)
一方、用意周到でも雨宿りするでもない私は先程買った店のオシャレな袋から折り畳み傘を取り出す
開けば淡いブルーでシックな色合い
傘の模様が銀色に見えるその傘はある万事屋の彼を発頭させついつい買ってしまった代物である
(しょうがない。早速使うか…)
開いたままだんだん強くなってきた気もする道路へ一歩踏み出す
歩けば水が跳ねるくらい降っているのでこれではどっちみち濡れるのを回避することはできなさそうだ
「あー、テンションガタ落ち………」
深いため息をついてから顔をあげればスーパーから出てきたばかりであろう傘に良く似た青と銀色の彼が空を見上げていた
「うっわー降ってるよー。さっきまで晴れてたじゃん?なんなの?まじで、空気読めよお天道様よぉー」
私は迷いなく彼に歩を進めていき彼が私に気づくのと同時に傘を差し出した
(お一人でしたら、一緒にどうですか)
どうせ濡れるのなら、あなたと楽しく