え、あぁ、うん。うちの兄です。

□近藤家
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「飲み会?」
「おう、今から川崎の皆でなー。だから飯食ってていいぞ。」
「分かった、飲み過ぎないようにね」




確かに私はそう言った筈だ






私、近藤一華は兄と共にマンションに棲んでいる


勿論、兄と協力して家の金は半分ずつ出した

一応はこの就職難の中アパレル関係のトップに就職できた私だ
お金くらいある


しかしプロJリーガーの兄に比べれば新入社員の私の月給なんて可愛いものだ
なのでお金のかかるものは兄任せになっている


それが嫌だったからせめて台所仕事くらいは、と料理は私がやっている



その為呑んでくる場合なんかは事前に連絡を入れるのが私達のきまりだった


なので今日は兄の分を作らなくていいといつもより質素な晩御飯で済ませ思いっきりリビングで寛いでいた


そんなとき兄の帰宅を知らせるチャイムが鳴った

「はー…………ぃ」
「一華ー開けてー」
「あ、うん…」


何故だろう
今兄の背後に人影がチラホラと…

疲れているのかそうかそうか


そう自己完結しガチャと鍵を外す

キィ、とドアを開けると外には見知った顔があった


「お兄ちゃん…」
「んー?あ、ただいま」
「いやうんおかえり。…あの、後ろの方々は…」

「いやぁね?呑み足りないし、明日オフだから家で呑もうかっ、てなって」




ふざけんな


こう言いたい



兄が帰ってきたと思えば後ろには川崎フロンティアの面々が


八谷さんにチャンスさん、星野さんに浅香さんがいた



いやいやいや


「え、なんで?なんで?」
「家だったらもし潰れてもいいかなって、あ、いいよ、入れよ」
「お兄ちゃん!!!??」



オジャマシマース、ともう既にほろ酔いなチャンスさんを筆頭にぞろぞろと入っていく

ごめんね、遅くに。なんて謝ってくれた星野さんと浅香さんはいい人なのか……


(そう思うなら、きてほしくない…)


リビング散らかしてなくて良かった。と安堵しながらテーブルにおきっぱだった雑誌を片付ける


兄は既に缶とビンの酒を並べており今更どうこう言える雰囲気ではなかった



かんぱーい、という声を聞いてリビングに併設されているダイニングのテーブルに座る

ふと時計を見ると夜の10時を回ったとこだ

どうせならつまみ位作ってやろう、と台所へと重い足を進めた




(どうぞ、お口に合うか分かりませんが…)
(おぉ!!一華サンキュー!!!)
(うま、酒に合うわー)
(一華の料理は美味しいからな!!!!)
(………そう?)


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ごーいんぐまいうぇいな近さん

そして誉められて満更でもない妹ちゃん



こんな兄貴なら許せる
 

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