神様はとんでもない者を落としていきました

□2
3ページ/4ページ



「どういうことだ、嬢ちゃん。」
「それ、過去のものですし正確ではありませんが大雑把に生きていた時代が書かれてるんですけど、見ました?」


つい、と指をさした先には『戦国大名名鑑』


「いや、戦国と書いてあるのが分かって見ただけだから詳しくは見てない…」
「伊達政宗と真田幸村の所、見れます?」
「真田幸村って…!」
「うるさいです。そんな六文銭推ししてわからないわけないでしょう?」
「あー…もー旦那ぁ…」
「そ、某のせいではなくないか…?」
「いいですから、年代見方わかりますか?西洋数字。」
「あぁ、政宗なら読めるんじゃねーか?」
「YA、貸してみな?」



パラパラ、とめくられた先には伊達政宗のページ


ここにいる伊達政宗がそれを見て少し目を見開いたあと慌てて違うページも開く



「Ha、なるほどな…確かに俺らは別の過去から来たらしい。」
「政宗様…?」
「ここに記されている俺の生まれ年は全く違う。確認のため小十郎や他の奴も見たがまるで違う。
この本によりゃあ俺の年を基準にすれば毛利なんてじじいだ。真田御自慢の十勇士なんているいないとか書かれてんぞ。」
「我がじじいだと?」
「佐助が!?なんと面妖な…」

パタンと本を閉じこちらを見据えてくる伊達政宗


「女、これはこの世界ではよくあんのか?」


これ、とは今まさにこの状況であろう

ふるふると首を振り足を正し彼らをみる


「ない、けどこうなったのには何かしら原因があるはずだと思います。神隠し、みたいなものなのか…あ、私は詳しくないけどじいちゃんの書庫に行けば何か手がかりがあるかもしれないなぁ…」


私のじいちゃんはもういないけれどその生前に趣味であった本を収納するための書庫を庭先の道場の横に作ってある

私の本棚よりもっとでかく小難しい文字ばっかで早々に見るのをやめた


そんな難しい本の中にはひとつくらいこういう事象関連の物があるだろうと、ふと、思ったから口に出しただけだったのに

「……その書庫とやら、一体どれくらい数があるのだ?今日明日で手がかりが見つけられる量なのか?」
「え、いやいや、無理だと思う…」
「ふむ、致し方なし。女、我の部屋を用意しろ。見つかるまで我はここを動かん。」
「…………」





ふんぞり返る緑の人



「え?」



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ