Mein

□笑顔で悪魔
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「最近バローネとまゐ様っていい感じよねぇ」

その一言に、背後から何か出てきそうなほど明らかに斜がかかる弾と目を輝かすプリム
対照的すぎる二人に、偶然通りかかったクラッキーが何事かと立ち止まる

「そ、うか?」

「そうだよ!気づかないなんて弾って本当ダメだなぁ!」

この時クラッキーは自らの口を両手で塞ぎ、どうにか悲鳴のような雄叫びを堪えた
正直言ってしまえば、叫びたかった
「プリムお前と言うヤツはっ!」と…

「…ダメって…」

「バローネって確かにメカッコイイからまゐ様の気持ちわかるもん!」

クラッキーには弾が徐々に白くなっていくのがまざまざと見えた
ついでに口から何かが「コンニチハ」しそうになっているのもだ

何故だろうか?聞いてるだけの自分の視界が滲んでいる気がする
これはやはり友人の精神的ダメージによるものか?

「バローネは、確かにいい奴…」

「だよね!だよね!バローネならまゐ様を幸せに出来るよね」

クラッキーは目頭を押さえて俯いた
プリム…君ってやつぁ!君ってやつぁよ!

「幸せ…ね」

「結婚とかしたらいいのにね!」

「………」

はしゃぎ回るプリムの隣で完璧に魂が出尽くし、白くなった弾が声も出せずに口を動かしている
クラッキーの勘違いでなければ「結婚」と口が動いているように思う

不憫すぎる…!
あまりの不憫ぷりにクラッキーの目からは止めどなく涙が流れ落ちていく

プリムの無神経ぷりにもある意味感心しながら、弾の傷付いた心を思うと涙が止まらない

結局、教官たちがくるまでプリムの無神経攻撃の最前線に晒されていた弾は、デッキどころかカードを握ることも出来ず数日間自室にて立て籠っていたそうだ



余談だがクラッキーは弾のあまりの不憫ぷりに涙が止まらず、プリムを止めることも出来ずひたすら草葉の陰から見守っていたらしい

***

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