Mein
□今はまだ…(バロまゐ)
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弾のために傷を負ったバローネを介抱しながら、まゐは幾度も不安に押し潰されそうになる
苦しそうに歪むバローネの顔や体に滲む脂汗
何度も汗を拭っては布を洗う
(苦しそう…)
このまま傷が悪化してしまったら…、そんな考えが浮かんでは消え、消えては浮かんだ
どうしてここまで不安になるのか、それは自分自身でも解らない
ただ、苦しむバローネを見ているのが辛く悲しいのだ
そっと金糸のような髪に触れ、労るようにゆっくりと頭を撫でていると不意にバローネが目を開けた
「…お、まえ…か」
「何か飲む?喉が渇いてるでしょ?」
掠れた声だが、しっかりとまゐを見据えて喋るバローネにまゐが微笑む
「いい…」
バローネは苦笑してゆっくりと目を閉じ、頭に触れるまゐの手に擦りよる
ぎょっとしたまゐだったが今更手を引っ込めることも出来ず、ドキドキとうるさい心臓に内心で悪態をつきながらバローネの頭を撫で続けた
「お前の手は、冷たくて…気持ちがいい」
今度は恥ずかしさが込み上げてきて、撫でる手を止めようとするものの、穏やかに眠るバローネを見ているとそれも出来ない
「うぅ…もう、」
今回だけだからね、と一人ごちてバローネの頭を撫で続けるまゐは、頬を染めつつ笑みを浮かべていた
相変わらず心臓はドキドキとうるさく、おまけに頬は熱い
それでもそれが嫌な感じがしないのは、たぶんその答えを知っているから
だけど、今はまだこのままで…
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