名前変換なし
□貴方が大好き
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…コンコン…
「雅弥、入るよ。」
「おう!」
ベッドに転がって
サッカー雑誌を見てた雅弥が起き上がる。
それでもまだ雑誌を見てる。
だから隣にすわって言ってみる。
「雅弥、…スキ。」
「はぁ?急に何言ってんだよ!///」
せっかく顔を上げてもそっぽ向いちゃった。
――私の彼は照れ屋さん。
「ものすごい必然みたいな偶然で出会って
私、一目惚れしてさ、
運命 感じるんだよね。
雅弥はどう思う?」
「おまっ、ハズい事言ってんじゃねぇ!」
――すぐ怒る。
『俺も』って答えて欲しいのに。
ちゃんと答えて欲しいのに!
――女の子の気持ちに鈍感。
でもね、私、
答えさせる方法を知ってるの。
今日はうまくいくかな?
雅弥の頬に手を当ててこっちを向かせ、
…チュッ。
唇に軽く触れるだけのキスをする。
一瞬で真っ赤になっちゃってる。
もう!ホントかわいいんだからっ!
…スイッチ入った?
「……。/////」
ガシガシ頭を掻きむしってる。
雑誌はどこかに消えたけど、
まだスイッチ入らなかったみたい。
じゃ、もう1回。
今度は
首に腕を巻き付け深く、ね。
…クチュ…
近すぎて視点がうまく合わないけど、
うっすら目を開けて雅弥を見ると
雅弥は目を閉じてる。
男の子なのに
つけ睫毛してるみたいな
しっかりとした長い睫毛。
その睫毛が小刻みに震えてる。
…何と戦ってるの?
早く負けちゃいなよ。
心の中で呟いた瞬間、
肩を強くつかまれて
雅弥の背景が
壁から天井にグルリと変わった。
…雅弥、スイッチ入っちゃいました☆
──簡単に理性を失う
私の服をどんどん脱がせ、
自分もTシャツを脱ぐ。
チラッと見ると、
厚い胸板に無駄のない筋肉がついた
オトコのカラダ。
「たまにはお前が脱がせろよ。」
「えぇっ!?」
もう上半身は脱いでるでしょ?
下半身を…ですかっ!?
無理無理無理無理無理っ!
ズボン脱がせるのは抵抗ありますって!!
「早くしろよ。」
私の上にまたがる雅弥は
カチャカチャとベルトわはずした手で
私の手首をつかむ。
ベッドの上では照れないらしい。
ホント不思議。
──照れる基準がヘン。
雅弥を本気で怒らせると怖いから、
恐る恐るジーンズのボタンをはずす。
チャックは…
…何故か下りてくれない。
「ああ!もういいっ!」
──結局、怒鳴る。
そして
自分でチャックを下ろして脱ぎ捨てた。
「お前も自分で脱げよ。」
「え?」
私はもう上下とも下着だけ。
だけどさ、、、
脱がせてくれないの?
脱がされるのって恥ずかしいけど、
雅弥に見下ろされながら
自分で脱ぐってのも恥ずかしい…。
「なんだよ。そんな顔して…」
私に覆い被さって落ちてきたのは
野性的な激しいキス。
その間に
雅弥は片手でブラをはずそうとしてる。
私は体を少し横向きにして背中を浮かせ、
やりやすいようにしてあげる。
…けど、はずせない。
──手先まで超不器用。
「ったく、脱がせてやっから
後ろ向け。」
結局、両手ではずす。
私が振り向いて目が合っても
すぐに目をそらす。
それで独り言のようにつぶやくんだ。
「お前、かわいすぎんだよ。」
──こんな時しか愛を囁いてくれない。
しかも、かなり控えめ。
「そんなの嬉しくない!
もっと気の効いた事 言えないの!?」
でもね
たまに、
本当にたまーにしか
言ってくれないんだけど、
だからこそ重みのある言葉…
「運命がどうとか、
そんな気の効いた事なんて言えねぇ。
俺の事わかってんだろ?
俺の事こんなにわかってるのは
お前だけなんだよ!
なんか文句あっか?」
そんな言葉で
文句言いたかった気分なんて
簡単に蹴散らされちゃうんだ。
あぁ、悔しいけど
こんなにたくさん文句言いたくなる程
雅弥のコトわかってるのは
私だけ。
──やっぱり
私は
貴方が大好き。
END
Present for なのっち
2010.2.3掲載
2010.11.15加筆修正