LONG

□NUCLEOTIDE CHAIN ー序ー
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その夜、誰も居なくなった家の中で俺は最低限の荷をまとめ
母さんの亡骸に魔王を討つことを誓って家を出た。

もう二度と、此処に戻ることは無いだろう。



朧げに光る不気味な月が暗い、夜道を照らしていた。



やがて森を抜けると隣の村も既に使い魔たちの手により壊滅的な状態に陥っていた。

その村では僅かながら抵抗した痕跡が見られ、武器を持ったまま死んでいる者や盾ごと槍に貫かれている者もいた。


家は炎に包まれて、ごうごうと音をたててまた隣の家へと燃え広がってゆく。


その村で俺は
生き残った二人の若い戦士と手を組んだ。

そして、魔王を倒しに向かうことになった。



母さんの敵を討つため

この世界を救うため


燃え上がる戦の火花を枯らすため


時代を変える
誰もが諦めたそれに
俺は踏み込んだ。





神の使いは救世主となり


未だ見も知らずの魔王のもとへと立ち向かう




世界を救えるのは救世主のみ




◆ー序ー 終◇
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