短編

□月の明るい夜でした
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『…グリード』


「あ?」


『寝ないのカ?』



今日は何故か眠れない

ずっと月を見ていると、中に居る相棒が話しかけてきた



「今日は…」


『?』


「月が綺麗だな」


『…そうだナ。この先、とんでもない事が起きるなんて嘘みたいダ』


「ハッ…そうだな」



俺は…親父殿を二度も裏切った

きっと次会う時も消されるだろう


だが、何でかね…全然怖かねぇ…嗚呼そうか



「俺は独りだからか」


『ハ?急にどうしタ?』


「煩ぇ。小便餓鬼が」


『それは言うなって言っただろうガ!馬鹿グリード!』


「おー怖っ」



喉を鳴らして笑うと、リンは黙ってしまった




「…」




夜は寂しいな

真っ暗で静かで…闇にでも入ったみたいだ


以前は、夜でも笑い合う仲間がいたのに…もう誰一人と居ない



グリードさん!

グリードさん

グリードさん!

グリードさん…





「…っ」



あいつ等はどうしてるだろうか…

死んじまったのは嫌でも分る…だが、向こうでちゃんとやってるだろうか…


あー強欲と言われた男が情けねぇ…不安で仕方ない



『グリード…』


「あ?…まだ寝てなかったのかよ」


『…お前はもう独りじゃないだロ』


「っ」


『エド達や俺が居るじゃないカ。へこんでんじゃないゾ』


「何…言って」


『ほラ、来たゾ』


「グリードー!」



振り向くと、エドが俺に向かって手を振ってやがった



「そろそろ俺の家だし、このまま行こうと思うんだけど良いか?」


「…なんで俺に聞くんだ?」


「だってお前俺達のボスなんだろ?行くかどうかもボスが決めろ」


「へぇー等々お前も俺の手下になるんだな」


「ヘッ!なってやるっつっただろ!」



俺はゆっくりと立ち上がり



「そんじゃ、行くか」


「おぉ!…ゴリさーん!ライオンのおっさん!出発だー!」


「誰がゴリだ!ダリウスだっつってんだろ!クソ餓鬼!」


「お前は人の名前もまともに覚えられないのか」


「うるせー!俺の呼びやすいように呼ぶんだよ!文句あるかァァ!」


「「大有りだ!!」」


「…」



サァアァァッ---



『一気に騒がしくなったな、グリード』


「…あぁ…そうだな」




確かに俺は独りじゃねぇ、な

目の前に俺の仲間みたいに…騒がしい奴等ばっかりだ






月の明るい夜でした
(例え、また消えても)
(この明るい月が俺を照らしてくれるだろう)


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企画サイト→あなたへの提出作品でした

…なんだろ、これ
「すみません」それしか出てこない…!

え、えと…素敵な企画に参加させていただいて有難うございました!
鋼錬は永久不滅です!\(^p^)/



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