記念

□一期一会
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私は本日も仕事であるギアステーション及びバトルサブウェイの清掃をしていた

モップを片手にゴシゴシゴシゴシ
けれどふと視界の片隅にキョロキョロと辺りを見渡す女性が映った
迷子だろうか?
迷子ならさぞかし辛いだろう
私はよく迷子になるから辛さだけは人一倍分かる

「お客様、どうかなさいましたか?」

私が声を掛けるとビクリと女性の肩が跳ね、髪で顔が少し隠れていても分かるくらい驚いた様子で此方を見た

「お客様?」

再度声を掛けると、女性は口をパクパクと開いてから俯いたり躊躇ったりと忙しない
数回俯いたり躊躇ったりを繰り返していたが
女性は何かを決意したように此方を向き、口を開いた

「あの、シングルトレインってここであってますよね…?」

「えぇ、合ってますよ」

ニコリと笑いながら言うと女性はふぅと息を漏らす

「ありがとう、ございます…」

「いえいえ、これも仕事ですし」

私がニコリと笑うと、女性もフワリと笑う
その時発車直前の、乗車を促すアナウンスが鳴った
それを聞き女性は「あ、」と声を上げた

「本当に、ありがとうございました」

そう言って女性は私に頭を下げ小走りで車両へ向かっていった

「綺麗な人だったなぁ…また会えるといいなー」

私の呟きは、発車のベルに掻き消された


一期一会


その日の夜、ノボリさんが"シエスさん"という強い人が来たと話していたが
私は今日会った彼女が常連になればいいのにという考えで頭がいっぱいだった
(そういえば、彼女の名前はなんて言うんだろ?)


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夢主企画提出物
名前が全然出てこない…

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