季節限定
□七夕の雨ってなんていうの?
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少し甘い雨のにおいがする、今日は7月7日。
「今日の七夕祭りなんだけど、お前も一緒に行かねぇ?」
「え・・・剣道部のみんなで行くんじゃ・・・」
「いや、近藤さんが誘えるだけ誘えって言うんでィ」
本当は二人っきりで行きたいのだが、まだ交際どころか、恋愛にまで発展していないのでそんなことはできない。
俺はただ、こいつと一緒に祭りに行ければそれでいいって思ってる。
「すいやせん、たこ焼きひとつ〜マヨは抜きで〜」
「お前マヨネーズは必須だろが。すいまっせーん、マヨやっぱ多めでー」
「なにしやがんだ土方」
ああ、ゆっくりと祭りの醍醐味を楽しみながらも俺はまだ、あいつのことを思うのだ。
何故か一緒に来たのに別々に行動している、見事な男子、女子まっぷたつ。(ゴリラ除く)
草食系男子が多い過ぎである。これはゆゆしき事態。
しかし、俺は違う。
「おい、なに浴衣着てやがんでィ」
「え、別にィー。沖田君は、祭り=女子=浴衣って公式知らないの?」
「知らね」
「ふーん」
くるりと背中の帯をこちらに見せて、友達の方に戻って行く。
ちょっと待った。
「おい」
空はほんの少し曇っていた。
「二人で抜けるぞ」
「・・・ごめんね
あたし、好きな人がいるんだ」
アスファルトに灰色の染みが点々と付く。
「あーなんか疲れた。浴衣超疲れる」
「なら何で着てくるんでィ」
「まだわかってない!」
で、その好きな人って?
浴衣の理由は?
天気予報見なかった?
女ってマジ意味わかんねー意味わかんねェ。
「雨降ってきたね。小雨だからいっか」
「知ってるかィ?こういうの・・・
催涙雨っていうんだ
何も言わず、振られるより
早く言えば良かったんだ。
「好き」って。
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季節シリーズは沖田君!
普段沖神愛なのですが普通にこっちの方がやりやすいですね
そして失恋ネタってwそれはないんじゃww