小説

□ただ今、愛の電波を受信中
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久々に一日休もうと思い瞳子さんのところに来ている
ネオジャパンのメンバーはこっちにいるらしく
砂木沼さんや瀬方、源田さんを顔を合わせた

部屋に入って携帯を取り出しある番号に目をとめる
肘杖をついて目の前にある番号と格闘した

「別に、電話できないんじゃなくて…
 時差とか忙しいだろうなとか
 恥ずかしいからだとかじゃなくて…」

そんなことを一人で呟いていた
ハズだったのだが…

「エイリアの時と変わり過ぎていないか?」

「うわぁ、あああっ!!」

手から落ちかけた携帯を落としそうになる
それをギリギリのところでキャッチして、ふぅ…と一息ついた

パッと後ろを見ると携帯を覗き込む奴がいた

「・・・さ、砂木沼さん?」
「ノックしたのだが、返事がなかったのでな」

何故か砂木沼さんが後ろに立っている
今でもエイリア時代の時の名残で、俺にとっては目上の人だ

「…呼び出ししているがいいのか?」
「は?」

手元の携帯を見ると画面には“ヒロト”を呼び出している
キャッチしたときに押してしまったのか、急の展開が多すぎて呼び出しを止めてしまった
押して普通の画面に戻って気付いたことは
・・・折り返してくるよなぁ、普通
内心、溜息をつく
その直後に折り返しはきた

RRRR!!

と自分の携帯が鳴る
画面にはヒロト、という字が浮かび即座に着信ボタンを押した


『緑川?何かあった?』
「あ、…」

久々に響く懐かしい声、いつも特訓に付き合ってくれたあの声
別に寂しかった訳じゃないのに声を聞いたら妙に合いたくなる

『緑川?』
「……っ」
「緑川、話さなくて良いのか?」
「え、あ…と」

それだけいうと砂木沼さんは部屋を出ていった
一体何だったんだろう…空気を読んでくれたのだろうか?

「・・・今、大丈夫なのか?」
『うん、平気だよ』
「そっか…よかった」

それだけ交わすと、落ち着いてきて自然と口元が緩んだ
同時に目頭が熱くなって目の先に温かい雫が溜まっていくのが分かる

「ヒロト…」
『どうしたの?』
「俺、…」

言ってしまいたい言葉を奥にしまい込んでクッと堪える
その気持が膨らんで、もう言葉になって出て期そうだ
でも・・・

『…オレは寂しいよ』
「は?」
『緑川に会えなくて』
「…っ!」

ヒロトは俺の言いたいことを当てたようにそう言った
泣き出してしまいそうになる気持を、溢れないように


ただ今、愛の電波を受信中



おまけ

「馬鹿…会いたくなるじゃん…」
『声震えてるね、泣き虫だなぁ緑川は』
「煩い、お前が…泣かすか、ら」
『あーぁホームシックになりそう、緑川』
「・・・ならもう電話しない」
『そうなの?』
「だって、俺ヒロトに世界一になって欲しい」
『…緑川ってホント恥ずかしいこというよね』
「なにが?」
『じゃあね…』
「おい!ちょっ…」
『p−…p−…』
「?」

in世界

ヒ「・・・」
鬼「ヒロト、嬉しそうだな」
ヒ「うん…どうしよう、世界一にならないと帰れないや」
鬼「・・・惚気てるのか?」
ヒ「別に惚気てはないよ」
鬼「(嘘だ)」


※なお様へ捧げさせていただきます。
 書き直し、文句等は拍手などでお願いします



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