小説

□それがハロウィンの醍醐味ですから
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風丸は駆けて食堂に向かった
いつもより、上で縛っているポニーているが跳ねているような気がする


「おはよー、みんな!!」


「よーす!」

「おはようございます。風丸さん」


食堂に入って声を出せば、その声にその場にいた者が返してきた
しかし、その人数はいつもより多い気がする


「珍しいね。私が最後?」

「ん〜、いや、不動がまだだな」


風丸が近くに座っている佐久間に訊ねる
佐久間は回りは一回り見た後、不動が居ないことを告げた

不動が遅いのはいつもの事だ
しかし、今日は寝坊してくる円堂でさえもう来ている


「どしたの?みんな??」


そう、風丸が訊ねれば、みんなは目を合わせてそろえてこういった


「「「Trick or Treat!!」」」


そう言って風丸の前に手を差し伸べる
その姿は年相応の子供らしさが出ていると言うか・・・風丸の母性本能をくすぐる

さすがに、豪炎寺や鬼道などのクールを装う者たちはそこまでしないが、さっきの言葉には確実に参加していた


「ははっ、仕方ないな〜」


風丸はカバンに詰めた人数分の箱を取り出す
回りからは歓喜の声が響き渡った


「一人一個!だけど、一つだけ外れがあるからね!!一回手に持ったら戻しちゃ駄目だよ」


一本指を立てて風丸がそう言った
そして、ニコッと笑った後机に並べられた箱から風丸が離れる

それと同時にみんなが箱に飛びかかるように突っ込んだ

風丸の内心、箱がつぶれないかだけが心配だった




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