小説

□明かりを燈す瞳
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ミーティング後の思うことは大体決まりつつあった
最初の時は勘違いだと思ったのだが…

本当、うぜぇ

横を見ると確実にこっちを見ている奴がいた
なのに眼が合うと慌てて目を反らす
しかも、何回目だよってくらい見てくる

・・・ったく、よぉ…佐久間クンは

後ろをひょこひょこ引っ付いて
ニコニコ笑っている姿を鼻で笑って口元を吊り上げた


***

「・・・何してる?」

いつもより低い声が部屋に響いた
ついでにその部屋っていうのは俺の物ではなく佐久間クンのだ


「一様ノックはしたぜ?」
「俺のいない部屋に勝手に入るな!!」
「少なくとも鍵かけないとか不用心だろ?」
「はぁ?!ここに住んでる奴らに用心する奴がいるか!!」

・・・馬鹿か
こうして俺が侵入した時点で用心しよう、とか思わねぇのか?
てか、普通他のエリアの奴とか日本エリアのとこにこれるし
みんな鍵くらいかけてるだろ…

そんなことを思っていると
佐久間は少し落ち着いて俺をジッとみると顔を反らせた
いつもより高い声で俺に話しかける

「・・・で、用件はなんだ?」
「あぁ、佐久間クンも分かるようになったもんだ」
「さっさと言え」


きつく睨みながらも、少し動揺しているのが分かる
それが妙に面白い
自然と佐久間の方に近づいていって小さめに呟いた

「俺に惚れてるだろ?」


大きく肩が揺れて目が大きく見開いていて
顔が赤くなって目も揺らいでいた

…んな顔も、出来るのかよ
少し驚いたが、もう一歩詰め寄って話しかけ続ける


「図星か?」
「…っちが!」
「じゃぁ、最近お前の視線感じるのは気のせいか?」
「ぅ…」
「やっぱり本当なわけだ」


ここまで言った時点で佐久間はストンとその場に座り込んだ
そしてパッと顔を上げる
目尻に涙を溜めて下唇ときゅっと噛んで、俺を見上げこう言った


「だって…、不動最近っや、優しいから…」


袖で佐久間は目を拭って、俺を上目使いで睨む
今にも泣き出しそうな顔が妙にそそった

・・・ったく


「泣くな、馬鹿」


固く閉じていた口にキスする
静かな部屋にリップ音が一回響いた後ドアを閉める音がした


明かりを燈す


(・・・?)(ったく)



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