小説

□甘さ控えない味
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あまい、あまい、あまい


パッと見甘い
俺は顔が少し引きつった

否、別に嫌いじゃない
お菓子とか食べるし…でも
こんなにあると

山のようにカラフルな箱の山の中


「…そんな目で見るなっ!」

そして真ん中には大きな溜息をつく風丸の姿があった


「・・・何か、あったのか?」

正直、反応に困った

お菓子の山に包まれた風丸は妙に目立っていたのと
口の周りについたお菓子が風丸を可愛くしていた


***


「・・・懸賞を暇だったから送ったら」
「お菓子5年分くらい来たんだ…」

お菓子の山から救出すると風丸は疲れ切っていた
結構食べたらしいのだが…
一向に終わらないのは当たり前だ


「・・・はぁ、もうやだ、あれ監督に見つかったら怒られるよな」
「まぁ、怒られるな…」

糖分はとりすぎるな、って結構言われたしなぁ
食べ物とかは運動するって時は制限が厳しくなったりするし


「はぁ……」


隣を歩く風丸から甘い香りがした

やっぱり…あれだけのお菓子に囲まれてればそりゃそうだろうけど
でも風丸から甘い匂いがすると、何か…

似合う、っていうか


「甘い、匂いがする」
「はぁ?」


ぎゅっ

首筋に鼻を埋めてその甘ったるい匂いを嗅いだ
匂いの元が風丸だったことに頬が緩む


「えええ、えんどッう…?」
「?」

顔を上げると真っ赤になった風丸が周りをキョロキョロしていた
あぁ…

「今昼間だから、人は来ないだろ」
「でもなぁ!」

でもそう一言言ったきり何も言わなくなる
とりあえず風丸の口にキスするとあり得ないくらいの甘さがした
俺の口にも甘ったるい味が広がっていく


「ん、…っ」
「甘い…」
「…しょうがないだろ」


赤くなった頬が少し可愛いとか

甘いキスも悪くないとか


甘さ控えない

(…あのお菓子、隠しとこう)(はぁ?!何処に?!)



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