小説

□俺がこいつに惚れたから
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仲良くなった理由は?

鬼道サンが珍しい質問をしてきた


「仲良く?」
「なってねーし」

「でも昔だったら隣でご飯なんて食べなかっただろう?」


……あぁ、そうだな
俺は右横にいる佐久間を見ながらそう思った
こいつはそう思っていないのは不思議そうだ

てか、
一方的に俺が嫌われてただけなんだけど
だから普通に考えれば佐久間が考えを改めだんだろ


「うーん…不動が変わってくれた?」

真逆のことを隣の奴は言い出した

「逆だろ、お前が変わったんだろ」

俺はすかさずそれにつっこんだ
変わってない、自分はが変わったなんてありえない

少しそういう気持ちが混じっていた


「・・・まぁいいことだから良いんだが」

そう言うとあいつは椅子から立って食堂を出て行った
取り残された俺らは一体どうすればいいのか…



「あ、俺にんじん嫌いだから不動食って」

箸にさされた少し大きめのにんじんが俺の顔の横にセットされた

俺に食えってことか…
てか、こいつってあんま気にしないよなぁ

俺はにんじんを一口で食べて
また食べ始める佐久間を見て思った

「佐久間ぁー」
「なんだ?」

「“間接キス”だな」

ブッ!!

・・・あいつ戻って正解だったな
もし今いたらご飯かかっていただろう


「ったく、きたねーな」
「お前のせいだろうが!」

布巾を使って飛ばしたのをとりながら言う佐久間

「てか気にしないほうかと思ったんだよ」

もっと適当に「そうだな」みたいに返されるかと思ってたし
予想よりはるかに遠い反応だった


「・・・よく考えたらそうだな」
「……」

多分仲良くなった理由は



がこいつに惚れたから

(・・・まぁ、いっか)(適当だな)



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