涼宮ハルヒの遭遇

□01、遭遇
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私、若菜。

魔力を操る力を当たり前の様に使える魔法使いだらけの世界に生きる女の子。

隣に居るデフォルメされた幽霊に魔女の帽子を付けたような生物は、魔導書が化けたもの。

"まほまほ"っていう名前なの。

通称"まほちゃん"って呼んでるわ。


そしてある日のこと、私はうかつだった。

自分の魔力を使う技術がどこまであるか試す為に世界移動の魔術を使ってしまったからだ。


パァアアア!

門に…門に吸い込まれる。

光が飛び散る門の中で私は気を失った。


…―

…―

…―

…―
「ん、ここは」

目を開けると其処には何時ものようにまほちゃんがいるはずなのに一冊の本になっていた。

「まほちゃんが魔導書に戻ってる!?」

ということは私は異世界に来るのに成功してる!?

そう、まほちゃんが魔導書に戻ってるという事は此処は私の居た世界より魔力が少ないって事。

そして最高クラスの魔術である世界移動は魔力を体内に溜めるまで使えなくて帰れないって事。

とりあえず、どうしようかと思った時―…

『あんた、異世界人?しかも魔法使いよね!?』

茶髪に可愛いカチューシャを付けた自分よりちょっと下の年の女の子が目を輝かせて私の手を握っている。

時刻は昼休みでハルヒは探索してたところに偶然若菜が召喚されたところを見たらしい。
更にまほまほが魔導書に戻ったのも見られたようだ。

魔法使いってのはこの魔女らしい格好が連想させるのだろうけど…。

異世界から来たのは何故に分かるのかしら?

もしかして見られた!?

「そうだけど…」

『じゃあ、早速あたしのSOS団にいらっしゃいっ♪異世界人とか大歓迎よ♪』

私が了承するとハルヒはつかさず私を連れ去った。


「いや、でも私部外者だし…」

『いいからいいから』



文芸部と書かれた板がある教室に入る頃には此所には魔法使いがいないだけで私の居た世界とシステムが変わらない事に気づいた。

いや魔力が微量にでもあるという事は実際は密かに存在するのかもしれないけど。


『さぁ、入って。そこの椅子に座ってなさい。』

キンコンカンコーン

『あら、もう時間?』

ハルヒはチャイムに反応してつまらなそうな表情をするがすぐに笑顔になって

『とりあえず此処で待ってて、放課後になったらすぐ駆けつけて皆を紹介するわ!』

そういうとハルヒは走り去った。


授業というのもチャイムというのも自分の世界にもあったので特に驚きはしなかった。

まぁ私の世界の授業は魔力を操る術を学ぶのも含まれるが此方はそんなことはなさそう。

だって、もしそうならこんな歓迎のされ方はないだろうから。

私は彼女が戻ってくる間までこの世界の本でも読むことにした。







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