零崎叶織の人間人生―ニンゲンライフ―
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気がついたら、そこは赤くなっていた。
部屋中に広がる赤、朱、紅、あか、アカ。
その中に一人たたずむ少女。
まだ幼さの残る少女。
少女の足元に横たわるのはかつて父、母と呼んでいたもの。
"人"であった肉塊。
理由なんてない。
ただ"そこにいた"から。
ただ"無性に殺したかった"から。
悲しみなんてない。
寧ろ気分がスッとした。
例えるならそう、水中からようやく空気のある場所にでておもいっきり息ができた、
"呼吸"ができた喜びのような感じ。
「うふ、うふふ、やぁ!随分と派手にやったようだね!」
どこから入ってきたのか、背後から男の声がして少女は振り返る。
「そうかもね」
でも、と言って少女はニッコリと笑う。
「一面赤でキレイだよね」
無邪気に笑う。
純粋無垢にただ笑う。
男はそんな少女をヒョイッと抱き上げると視線をあわせてにこやかに言った。
「そうだね、初めまして私の可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い妹ちゃん!あーもう天下一品に可愛い過ぎるね!!スカートの方がやはり好きだけど、短パンをはいて生足をいい感じに見せているのもいいね!!いや、もう君は何を来ても超絶的に似合う!でもやはりもう少し大きくなったらミニスカをはいて見せておくれよ?あぁ中にスパッツをはくなんて言う真似はしてはいけないよ!!そうだ、君に名を与えねばいけないね。そうだな、うん私はずっと妹が欲しかったのだよ!いやだからといって弟が嫌なわけではないのだよ?私にとって弟も可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い存在だ!愛しくてたまらないよ!!でもまだ妹はいなくてね、君は私の初妹だ!だから大切に大切に大切に大切に名をつけなくてはね!あー、それにしても君はなんて可愛いんだ!!よし決めた、やはり前々から考えていたこの名でいこう。
君の名前は叶織、だ」
「叶織?」
「そう。そして私は双識だ。今日から君の家賊でお兄ちゃんだよ!愛しい叶織ちゃん」
<ようこそ、零崎へ>
(お兄ちゃん!)
(あぁ!私は今とっても幸せな気分だよなぜなら…)
(あー、初めての妹だっちゃ)
(妹…悪くない)
(こっちもお兄ちゃん?)
(君たちどっからわいてでたー!!)