零崎叶織の人間人生―ニンゲンライフ―

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下校時刻。

刹那が一人部室の整理をしていると、ロッカーがガタガタと音を立てた。
その音に刹那はニヤリと口元に弧を描くとロッカーのその扉をあけ放った。






「やぁ、遅いお目覚めだね。残念ながらもう部員はもう帰ってしまったよ?」


「な、なんてことをしてくれたのよぉ!」






ガタガタと震えているのは怒り故か、それともー…。






「ちょうど仕事も終わったところだ。一緒に帰りましょうか、姫乃さん?」






刹那の射殺すような視線に姫乃はコクリと頷く。






「じゃぁ、鍵返してくるから。校門の前で“ちゃんと”待っててね?私ちょっと“お話し”がしたいから」






コクコクと頷く姫乃。
そして言われた通りに校門でまつ。






「(な、なによアレ!?超怖っ!てか絶対許せない!なによ“お話し”って!まさか本当にボコられるんじゃ…。あ、そうだ!!)」






姫乃は誰も周りに居ないのを確認すると携帯を取り出しコールする。






「(いーこと考えた♪姫頭いー♪)あ、もしもし姫だけどぉ。ちょっと今から言う場所にきて欲しいんだぁ」


















〜*〜*〜*〜*〜






それから姫乃が電話を切るとちょうど刹那が此方にやってくるのが見えた。






「(ふふふ、みてなさいよぉ)」


「じゃ、行こうか」


「は、はい(怖っ!)」






二人は黙々と歩く。
一言も喋らずに。



ある曲がり角で姫乃が声をあげた。






「あ、あのぉこっちの河原行きませんかぁ?」


「(その語尾のばしやめて!)河原?」


「はい、姫もぉ、先輩とお話ししたいからぁ土手でゆっくり座ってしませんかぁ?」


「(なにを企んでんだか…なんとなく想像つくけど)河原ねぇ、人気ないけど…いいよ、行こうか」






頷くと刹那は歩き出す。
姫乃もあとをついて行く。
















刹那は知っている。
姫乃の顔がニヤリと歪んだのを。

姫乃は知らない。
刹那の顔もニヤリと歪んだのを。







<ミイラとりはミイラに>


(やたらと自信に満ちた)
(哀れなミイラとり)

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