お試し企画所

□魔法少女☆サンデーナリー
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この世には魔法やまじないなど非現実的な事がないと我はそう思っておった

…が

『貴様は誰ぞ…』

元就は目の前に現れた不可思議な物体にただ目を大きくするばかりだった

「俺は泣く子も黙る魔界の鬼,略して魔鬼の元親とは俺の事よ!!」

そう名のった男(魔鬼)は頭に角を二つ生やし背にはコウモリの羽の様なのがついていた
両手を腰に添えエッヘンと言わんばかりに威張るが何せ大きさが指先から肘くらいの大きさなので迫力も威厳もない

『さようか,ならさっさと消えろ』

元就は元親のデコをデコピンするとさっさと歩き出した

「Σあ痛っ!何しやがる元就!」

『Σ!?』

元親は涙目になりながらオデコを擦ると元就に着いていったが,急に止まった元就の背中にぶつかり鼻をぶち今度はホロリと泣いた

『貴様なぜ我のなを知っている』

元就はクルリと元親の方へと向きを返ると猫の首根っこを掴んだように元親の首を掴んだ

「なっ!?何しやがる元就!」

『答えろ!なぜ我の名を知っている?』

元就が凄むと元親はみるみる頬が桃色に染まりポツリと漏らした

「俺,お前の事ならなんだって知ってるぜ…へへっ☆」

サァー…

元就の身体の血の気が引いた音がした
元就はさっと元親を放し一目散に逃げた

分け目も振らず途中元親の声がしたが無視し,一心不乱に走りようやく家路に着き振り返ると奴はいなかったので安堵の気持ちで玄関を開けた

ガチャッ

「お帰り!元就急に走り出すんだからよビックリしたぜ」

『…………』


我はこの瞬間,非現実的な現状を受け止める事にした

『…で,話をまとめると我が貴様の真の姿を取り戻す為に力を貸せと言うのだな』

テーブルの上に乗っている元親にしたらおっきなクッキーにがっつく元親を尻目に元就は紅茶を一口飲んだ

「モゴそうそうモゴ俺ホントはもっとこうおっきくてモゴ魔力もあってよ」

元親は両手一杯広げ大きさを教えると次のクッキーに手を運んだ

『で,どうしたら戻るのだ?』

モリモリ食べる元親にイラッとしたのか元就は元親の手にしたクッキーを奪い取り口に運んだ
元親はΣあっと声に出したが気にする事なく新しいのに手を伸ばした

「おっ!のってくれるのか!」

『仕方なかろう,ここまで話を聞きながら嫌と断れば居座る気であろう?』

キッパリ

「おうっ♪よろしくな♪」

キラキラオーラに包まれた元親の小さな悪魔的矢印尻尾がぴこぴこ揺れた
元就はそんな様子に心底運のなさを恨み呟いた

『何故じゃ…』


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