小説部屋
□フルートの奇跡
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「オーデション…ですか…?」
「5、6年関係ないで」
と言うと音楽室からでていった。
多分職員室だろう。
「オーデション…って…いきなりすぎるし…」
関西大会まであと1か月…。
おそらく1週間後ぐらいにオーデションをするだろう。
まず驚いたのは小学生の私たちがオーデションをするということだ。
「ちょー緊張するんやけど!」
「マキ、そのまま鏡あるとこ行ってよくみて。自信満々だよ」
と譜面台をたてながら言った。
「なんで譜面台立ててんの?さっきもたててなかった?」
ガタガタ震えて、
「き、緊張で譜面台たててはなおして、たててはなおしてるんだよ」
とやっていた。
「それより練習しなきゃ!」
「本当だ!4ー3の教室の鍵もらい!」
と開けにいった。でも…どんなに頑張ったって無駄だよ。才能がないから。
「♪〜♪ー!!」
「ププッ!下手くそ!そう思わへん?リカ」
「え…あ…」
するとマキは
「うちの事嫌いなん?」
「いや…」
「下手くそやろ?」
「……うん」
何でも言っとけこのお母さん好きのマザコン!
「どうしてこんなに…熱くなるんやろ?」
きっと…オーデションにうかりたいから…。
「よーし…!!頑張ろう!」
と練習に集中した。
〜家〜
「えーーーーっ!?オーデションだって!?」
うなずいた。姉ちゃんはびっくりしていた。
「まさか小学生でかぁ…」
「全然自信ないよ」
と地面にペタンと顔を隠して座り込んだ。
「自信もつんや!オーデションは自信もたへんかったら絶対合格せえへん!練習した量が自信や!…なーんてキレイごとすぎるかぁ…?」
クスッと笑った。
「そうだね…自信…もって損ないね?」
「そうやっ!!」
と肩をポンポンとたたいた。
「はぁ…調子のらないでよね?」
「ニャハハ!まぁ不合格しても入れるチャンスはあるかも!練習を欠かさずに!」
なんか敗者復活みたいな感じ。
「姉ちゃん、ニャハハ…ってギザキモス」
「じゃあ…フハハハ!!」
「そーゆ問題じゃない!」