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□変わった
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「骸さん、ずっと好きでした
わ、私と付き合ってくれませんか…?」

「ええ、いいですよなまえ」

こんな感じで僕らは付き合い始めた

正直、初めは好きなんて感情はなかった
ただのクラスメイトで少し話す程度だった

付き合ったのは何故だかわからない
なにか惹かれるものあったんだと思う
それが何かなんてわからない





「骸さんっ」

「何ですか?」

「なんでもないです
ふふっ、大好きですっ」

満面の笑みでそう言う彼女はとても可愛かった
そんな彼女に僕の口角が無意識にあがっていた
ああ、たぶん僕はこんな無邪気な彼女に惚れたんだろう







「ねえ、骸さん」

「何ですか?」

「どこを見てるの?」

「沢田綱吉達がまた馬鹿やってるな、と」

「…やだ、やだ
今は私といるんだから私だけを見てよ」

「クフフ、そうですね
なまえと一緒にいる意味がなくなってしまいますね」

小さな妬きもちだと思った
そんな小さなことに妬いてしまう彼女が可愛かった
だから僕はそんな彼女がみたくてわざと2人きりの時に彼女以外を見てみたりした

「やだ、やだ、やだよ、骸さん
私をみてよ」

「すみません、なまえが可愛いからいけないんですよ」

「でも私は嫌です
私をみてて下さい」








「六道君いますか?」

「ん、骸?」

「はい…」

「おーい、骸!
女の子が来てるよ〜」

「わかりました、少し待っていてください」

僕は呼び出されたから
席を立ち女の子のほうへと向かった
後ろからの彼女の視線なんて全く気づきもしなかった





「チッ、また骸かよ」

「ほんと、アイツもてるよな〜」

「まあ、俺は10代目のお側にいれなくなるなら彼女なんていらねえよ

「お前がそんなこと言ってたら
ツナがいつまでたっても彼女つくれないぜ?」

「それは駄目だ
お世継が…」

「まあまあ、なるようになるさ!ハハ」

「ねえ、山本君」

「おう、なまえ
骸なら今いないぜ」

「知ってる」

「にしてもなんで骸に彼女がいるのに女子は告るんだろな?」

「知らねーよ
なまえ、心配すんな
骸は軽いやつじゃないから」

「うん」








冷たくなった風にあたりながら彼女を待っている
昼休みは驚いた
まさか女子に告白されるなんて思ってもみなかったから
僕に彼女ができてからこんな風に告白してきたのは今日が初めてだった

「骸さん、遅くなってごめんなさい」

「いえ、大丈夫ですよ」

「今日のお昼休み…」

「あ、あれは断りましたから
僕にはなまえがいるの知らないんですかね?」

「さあ、わかりません
骸さん、私以外の女の子とは話さないでください」

「何故です?」

「骸さんが離れていきそうだから」

「それは無理ですね
クラスメイトと話さないわけにはいかない時もあるでしょう?」

「やだやだやだやだやだ
どっかいっちゃうなんてやだ」

「どこにも行きませんよ」

「とにかくやだ」

「しょうがないですね…
でも少しは許して下さいね?」

「私が近くに、いや、側にいていいならいいよ」

「では何かあったらなまえを呼びますね」

「はいっ」

そしていつの間にか僕らは彼女の家の前にいた
繋いでいた手を離すと温もりがなくなった
「また明日」と言おうと思えば彼女が口を開いた

「…つけて」

「え?」

「骸さんのものだって証を私につけて」

そう言った彼女は首筋がよく見えるように髪をはらった
そんな大胆なことを言えるような彼女じゃなかったから驚いた
髪をはらった白い首筋に喉がなる

理性なんてぶっとんで口付け思い切り吸いついた

「…はっ、あ、もっと、骸さんもっと、深くつけて、消えないくらいに」

力いっぱい吸うと彼女が漏らす声がたまらかった
唇を離すとそこには真っ赤に僕のものだという証がついていた

「なまえ、君は僕のものです
深くつけましたから消えませんよ?」

「ふふ、嬉しい
ありがとう」

その笑顔は前にみた笑顔とは違って無邪気さじゃなく、色っぽさが含まれいた

「では、また明日」

次は唇に深く吸いついた
何度となく唇を重ね合わせ
絡ませれば彼女の顔はとろけそうなほど真っ赤な顔をしていた








数日後、彼女は僕の家へとやってきた
俗にいう『お家デート』

「おじゃまします」

「どうぞ」

他愛ない話をした
部屋綺麗だね、ありがとう
わあ、美味しいケーキ
ん、これ何?ああ、それは…、、
などなど

なんだかんだしてたら夕方になって空が暗くなってきた

「なまえ、そろそろ帰りなさい。
送っていきます」

「……」

「どうしました?」

彼女は俯きスカートにしわが寄るほど力強く手を握っていた
スカートに一滴のしずくがおちて
それからどんどんおちてきてスカートの色をみるみる変えた

「なまえ?」

「私と一緒に居たくないの?好きじゃないの?私は一瞬でも離れたくないのに。だって不安だもん。好き好き好き好き好きやだよやだよ離れたくないよ、明日は休みだよお泊まりさしてよ。離れたくないよ骸さんを閉じ込めたいよ誰にも会わせたくないよ。私だけの骸さん」

「好きですよ。愛していますよ。」

「そんな言葉はいらないイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ、行動で示して」

彼女はどうした
あの彼女はどこへ消えた
今の彼女は無邪気さなんてない
今まで白だった彼女は黒に
でもそんな彼女に違和感を感じない僕
きっと僕はどこかで気づいてたのかもしれない、本当の彼女を…

どうして、こうなった
(貴方のせいよ?)

20111013 突発的に書きたくなった


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