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□ポッキーゲーム
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今日は素晴らしい日です。
なんたって2011年11月11日。
わかった?



ポッキーの日!!



「ねえねえ、恭くん」

「もう、うるさいなさっきから」

「んー、」

「やめてくれない
鬱陶しいんだけど」

「ひどいよ恭くん」



こうして何度もチャレンジしているのに恭くんは1度もしてくれません。
私とポッキーゲームしたくないのかな?
でも抱き締めたり、キスもしてくれるのにな…



「うわ、ちょ、邪魔だよ」

「邪魔とか言わないで
だって恭くんがポッキーゲームしてくんないから…」

「で、邪魔のつもりで後ろから抱きついてきたと」

「うん、だからしてくんなきゃ離さないんだから!」

「そう、邪魔とは言ったけど
よく考えたらこのままでいいよ」

「なんで?」

「なまえのやわらかい胸の感触を楽しむのもいいかと思ってね」

「きゃっ、恭くんのえっちー!!
もう、ぎゅうなんてしないんだから!」

「残念だな
これからなまえを抱き締めることができないなんて」

「うぅっ」



私だって抱き締めてもらったりしたいけど、そんなこと言われたら恥ずかしくてできないよ。

ポッキーを食べながらソファーの背もたれからチラリと恭くんの姿を盗み見る。
真剣に書類をチェックする恭くん。やっぱさっきまでの悪かったかな。

でもしたい!!
次で無理だったら諦める!



「恭くん!」

「…何」

「ポッキーしてほしいな」

「嫌だ」

「うん、そっか」

「(あれ、なんか違う)うん」

「でもね、私やっぱりポッキーの日なのにポッキーゲームしないのはおかしいと思うんだ!!
だからね、友達んとこ行ってくる!!」

「は、何いってんの?」

「レッツ・ポッキーゲーム!!」

「待て
それは誰とするの?」

「んっとね、京子ちゃんとハルちゃんとクロームちゃんと……あ!沢田君と骸!!」

「なんで男も入ってるの
いや、女がいいってわけじゃないけどさ」

「みんな、お友達だもん!!」

「だからって男と、僕以外とキスするなんて許さないよ」

「え、ポッキーゲームだからキスなんてしないよ?」

「馬鹿じゃないの
端と端から食べるんだから最後はキスになるじゃないか」

「あ、………ほんとだ」



忘れてたよ、どうしよどうしよ
恭くん以外の人とキスなんて嫌だし、女の子とするのはなんてことないんだけど…



「んんー、…どうしよ恭くん?」

「どうしよって…
そうなると僕しか相手いないでしょ」

「でも恭くん嫌だって言った」

「恥ずかしいだろ、あんなこと」

「え」

「だから恥ずかしいって言ってるの!!」



顔を赤く染めて恭くんは私の顔を手で覆った



「やめてよ恭くん」

「やだ」

「ぢゃあ友達んとこ行っちゃうもん」

「それは駄目」

「なら、どうすればいいの私?」



耳元に恭くんが近づいてきて



「黙って、僕に、食べられればいいんだよ
だから早くポッキーだしなよ」



甘く、低い声で囁いた

ポッキーを恭くんの口に運んで反対側をぱくりと食べればポッキーゲームが始まった。



ポッキーゲーム



(あ、恭くん、そこは駄目だよ?)

(さっき食べるって言ったでしょ?)



20111111 トリプルポッキーの日


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