...

□桜舞う日に
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―ある日の放課後


「もお、遅いですよ雲雀君」

「仕様がないだろ?」

「そうですね・・・、帰りましょうか」

「・・・うん」


雲雀が自転車通学のため2人で駐輪場へとむかう

この2人は幼稚園の頃からずっと一緒で
いつのまにかこうして2人で帰るようになっていた






「ちょっとこれ持ってて」


そう言って雲雀は骸に鞄を預けた

自転車をだすのに邪魔だったのだろう

自転車を出し終えた雲雀は黙々と歩き出した

鞄は骸に預けたままだ

2人は微妙な距離間のまま言葉を交わさず校門をでる

そこで雲雀が振り返った


「鞄ありがとう」

「はい」


骸は雲雀に鞄を渡した

それを受け取った雲雀は歩き出すのかと思いきや振り返った


「どうしましたか?」

「・・・・・・貸しなよ」

「え?」

「君の鞄のせてあげるよ」


こんなことは今まで1度もなかったため
骸は嬉しくて頬をゆるませた


「ありがとうございます」


鞄を雲雀に渡した

そして2人は帰路を歩いた

風がふき桜が一面に舞う


「綺麗だね」


舞った桜をみて雲雀が口をひらいた


「ええ、そうですね」


そうこたえた骸はスルリと雲雀の腕に自らの腕を滑り込ませた

雲雀は一瞬驚き目みひらいたものの手を振り払おうとはしなかった


「あ・・・、」


骸が突然歩くのをやめ立ち止まった


「なに」

「雲雀君の頭に桜の花びらが、・・・・・・ほら」



雲雀の頭から桜の花びらをとりさしだした


「雲雀君の頭にはこの花びらがよく映えますね」

「なに言ってるの、君の頭のほうがよく映えるよ・・・・・・ほら」



そういった雲雀は骸の頭にものっていた桜のはなびらをとった

黒色の雲雀の頭にはくっきり映え
青紫色の骸の頭には色っぽく映えていた


「ありがとうございます///」


少し頬を赤らめる骸を前に雲雀も少しばかり頬をあからめた

再び無口になった2人は黙々と歩き出した


「・・・・・・好きなんだ」


突然雲雀がこう呟いた


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