...

□「馬鹿恭弥」
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「アラウディさん!!」


そう言って彼女が応接室へとやってきた

なぜアラウディ?
意味がわからないんだけど
僕には雲雀恭弥という名前があるのに

だいたいアラウディって僕の・・・、
雲の守護者の名前じゃなかったっけ

いや、決してボンゴレにはいったわけじゃないけどね

彼女は満足気に腰に手をあて僕をみる


「ちょ、睨まないでよ雲雀さん」

「睨む以外に何の選択肢がある・・・。」

「抱きしめるとか?」

「馬鹿じゃない君?」

「・・・。」

「(はあー)で、どうゆうこと?
5字以内で答えろ」

「えとっ、イタリア語!!」

「残念」

「え、なんで?
5字で答えたじゃん!!」

「最初に「えとっ」てはいったから」

「そんなあ!!」


人生の終わりだ!
みたいな感じでソファに倒れこむ彼女

まあ、そんなことはどうでもいい

イタリア語?
・・・もしかして「雲雀」をイタリア語で言うと「アラウディ」と言うのだろうか
もし本当だとしてもなんで馬鹿のこの子が・・・

彼女はソファに伏せながらもチラチラとこっちをみている
彼女のことだ、僕が何か言うのを待っているのだろう


「ねえ」

「ん」

「起きなよ」

「やだ」

「僕が座れない」


そう言うとそそくあとソファーに席をつくる彼女

僕が座ると彼女は僕に軽く身を預けてきた
頭がこつんと肩にあたる
さっきまで煩かった彼女が静かに目を閉じる

普通ならこのままそっとしてあげるけど

あれだけ意味のわからないことを言っておいて
このまま寝かせるわけにはいかない


ビシッ


髪がはだけさらけだされたおでこにデコピン
思ったよりいい音がしたんだけど・・・
痛くないどろうか・・・


「いった〜!!
もお、雲雀さんすごく痛いじゃん!!」

「君が僕をアラウディと呼んだ真相を言わないのが悪い」

「えー、めんどくさ」


ビシッ


頭にチョップをおみまいした

めんどくさ、てなんだ
自分から変なことを言っておきながらそれはないだろう

彼女は頭を押さえながら
「わかったわかった」とめんどくさそうに口をひらいた


「で?」

「雲雀はイタリア語でアラウディ」

「は?」

「説明おわりー!!」


といとも簡単に説明が終わった

めんどくさそうにしてた割にこの様・・・

いや、わかったけどさ
気にくわない
彼女が僕以外の男の名前を呼んでいるみたいで嫌だ


「僕の名前は?」

「アラウディ恭弥ー!!」


ビシッ

あまりにも笑顔で言う彼女に2本目のチョップ


「いった〜!!
馬鹿恭弥!!馬鹿になるじゃん!!」

そんなこと知るか
僕をあんな男と同じで名前で呼ぶからだ悪いんだ

でも1ついいことがあったから許してあげようかな


鹿弥」

初めて僕の名前を呼んでくれたから




(・・・君)

(?)

(「雲雀さん」は禁止)

(?)

(今日から「恭弥」って呼びなよ)



end.

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