マイハニー

□運命共同体
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忍「もしもしアイスちゃん」

アイス「なぁに?」

忍「思ったんやけど、普通は逆なんとちゃう?」

アイス「逆?」



直ぐ側にあったベンチで念願の膝枕は成った


だが、膝に頭を乗せて横たわるのはアイス


膝枕は膝枕だが立場が逆である


アイス「だって侑ちゃんが羨ましいって言ってたから」

忍「確かに言うたけどちゃうねん…羨ましいのはジローの立場や」

アイス「え?紗奈華にして貰いたかったの?」

忍「な、何でそうなんの?って、まあこの状態でもアイスを独占出来てるからええわ」

アイス「良いの?わーい」

宍「何サボってんだよアイス」

跡「食って直ぐ寝るって子供か?お前は」


何かズレてるアイスの頭を撫でながらも小さな幸せに浸る


そんな至福の時は長くは続かず、邪魔者二人が乱入


然り気無い子供扱いにピクリと反応するアイス


アイス「子供扱いしないで!この後の労働に備えたお昼寝だもん」

忍「ほら怒った。折角の二人きりを邪魔せんといてや」

跡「アーン?」

アイス「あ、そうだ侑ちゃんにお礼しなきゃ」

忍「お礼?」

アイス「うん。私のおやつを特別に別けてあげるね」

宍「まだそんなモン持ち歩いてんのか?」


アイスがポケットから取り出したのは板チョコ


この暑さで若干溶けてるのか軟らかくなっている


アイス「ビターなやつだからあげるね」

忍「ちょお何コレ!?気持ちは嬉しいけど微妙に溶けてるや…Σんんっ」

アイス「文句言っちゃイヤ」

跡宍「Σ無理矢理!?」

アイス「美味しい?」

忍「……ん、美味いι」


文句を言わせず無理矢理チョコを侑士の口に突っ込んだ


本人は苦しそうだがアイスは満足気



跡「お前なんか段々紗奈華に似てきたな」

アイス「紗奈華に?わっ嬉しい」

宍「喜んで良いのか?それ」

忍「…うぅ…強引なアイスも好きやで俺」

跡「お前はアイスなら何でも良いだろ」

忍「この子の全てが愛しい」

宍「重症だな」

アイス「はっ!侑ちゃん垂れてるよ」

忍「え?」

アイス「あ、ダメ!動いたら落ちちゃう…」


ペロッ


忍「う、えっ!?ちょっ、アイス…///」

跡宍「Σなっ//」

アイス「…ご馳走さまでした」

忍「っ…反則////」



侑士の口端に付着したどろどろチョコ


それを見付けたアイスは即座に上半身を起こして直接チョコをぺろりと舐め取った


まさかの行動に一同フリーズ


跡「何してんだお前は!!」

宍「何狙いだ?コラ」

アイス「だって溢したら勿体ないよ?」

跡「え?それだけ?」

アイス「うん?ビターだからやっぱ苦かった」

忍「…アカン…そんなんされたら余計に惚れてまうやろ//」

跡宍「こんっの天然小悪魔がっ!!!!」

アイス「?」



本日も小悪魔に振り回される
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