A

□訳あり彼女
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〜side 紗奈華〜



紗奈華「はいトップは基準値の半分15周目〜ビリとは50mくらい差がついてるわよ!気合い入れなさい」

天「っしゃ〜ノルマ半分切った!!」

樹「これからが真の戦いか」

黒「過酷でハードル高い方が燃えんだろ」

葵「僕は紗奈華さんのハートに火を点けたい+」

亮「…それは何か無謀っぽい。まあ僕なら可能だけどね」

紗奈華「…やっぱり降ってきたわね。今みたいな霧雨程度で済めば良いけど」



競走する皆は最低ライン30周の半分、15周目に突入


タイムもペースも今のところ問題はない


ただ心配のはこの天候


アイスと別れた途端に雨が降りだした


全然当たり障りのない霧雨


だけども何かモヤモヤした感じが消えないアタシ


皆を見張ると同時にアイスの帰りを待つ


少ししか離れてないんだけど、早く…無事に戻ってきて



紗奈華「あと10周走り抜いたらサバイバルの始まりよ!」

葵「こっからが本番だね」

佐「今回は絶対に譲れないから…あれ?そういえばアイスは?」

亮「あ、本当だ…スタート時は居たけど姿が見えないね。どうしたのかな?」

天「何!?姉さーーん!アイスは何処?」

紗奈華「やっぱり皆も気付いたのねιアイスなら今…」



ザアアア



紗奈華「え?」

黒「激しくなってきやがったな」

葵「嘘でしょιこれじゃ足場が更に悪くなっちゃうよ」

佐「自然現象には逆らえないからな…一先ず休戦しようか」

樹「こっからだと体育館が一番近いから雨宿りしよう」

亮「‥だって、どうする?」

紗奈華「仕方無いわね。休憩には未だ早いけどそうしましょう」



ラスト10周といった所で皆がアイスの姿が見えない事に気付く


アタシが事情を説明しようとすれば雨が激しくなった


取り敢えず体育館に避難する事に


葵「では行きましょうか紗奈華さん」

紗奈華「アタシは後から行くから皆は先に行ってて!」

樹「え?濡れちゃうよ?」

紗奈華「アタシなら平気よ。だから行って」



ピカッ



葵「うわっ雷!?余計に酷くなっちゃいそう」

佐「皆!とにかく急いで」

紗奈華「待ってよιこんな時に何で雷…」

亮「紗奈華は雷苦手だったっけ?意外だけど可愛いね」

紗奈華「いやいや苦手なのはアタシじゃないからっ」

亮「僕の前では無理しなくても良いよ、紗奈華。護ってあげるから」

紗奈華「気持ちは有り難いけどアタシ、行かなきゃ」

亮「行くって何処に?」

紗奈華「あの娘‥アイスが居る所!アタシが行かなきゃアイスが…‥!?」

亮「紗奈華はこっち」

紗奈華「っ…亮!離して」

亮「紗奈華まで迷子になっちゃうし、風邪ひいちゃうよ」

紗奈華「アタシは良いからアイスを…」

亮「アイスなら何かあったら直ぐに戻ってくるでしょ?落ち着いたら探しに行くから紗奈華はおとなしく言うこと聞きなさい」

紗奈華「‥…」


こんな事してる場合じゃないのに


アイスを探そうとしたら亮がアタシをお姫様抱っこして連行


酷くなる前に行かなきゃならないのに…
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