A

□訳あり彼女
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〜side 紗奈華〜



紗奈華「そろそろスタートよ!準備は良い?」

アイス「時間は無制限って所が凄いよねι皆〜無理しないように頑張ってね!!」

葵「はーい!僕の勇姿を見てて下さいね紗奈華さん」

樹「紗奈華の前で一人だけ目立とうとかズルい…俺も絶対に生き残ってやるのね!」

亮「何時にも増して鼻息荒いなー‥僕も本気出してみようかな」

天「今回はおふざけ抜きで勝利とアイスをWでゲットだぜ!」

黒「張り切ってる所悪いが勝つのは俺だ!」

佐「勝敗は目に見えてるようなものだけど俺は抜かせないよ。待っててねアイス♡」


各々が準備を調えやって来る


アタシは監督と記録係り、アイスはカウント係りでど真ん中に立つ


誰が最初の罰ゲームの餌食になるか楽しみね


その反面、何故だか雲行きが気になるのよね


あんなに晴れてたのに徐々に雨雲が青空を支配する



紗奈華「何か天候が妖しいのよね」

アイス「え?あー本当だ曇ってる…さっきまでは良いお天気だったのにな」

亮「そう言えば所により雨が降るって言ってなかったっけ?」

アイス「そうなの?昨日もあんなに降ったのに」

佐「昨日は激しかったけど、今日みたいな天気は降っても通り雨程度だから大丈夫だよ」

紗奈華「だったら問題ないわよね、小雨くらいだったら十分走れるし支障はないわ」

アイス「雨が降ってもやるんだ?」

紗奈華「当然よ。荒れ狂うような環境で走れなくなったら考えてあげでもいいけど」

黒「お前は鬼か!」

紗奈華「このアタシに意見するの?アイスにあんたのアレを暴露しちゃってもいいの?」

黒「うっ…(アレって何だ?!)すみませんでした;;」

紗奈華「分かれば宜しい。さあサバイバル競走おっ始めるわよ!」



まあ昨日の今日でトラック自体が走るには適してないけど‥なんとかなるでしょ


アタシが吹いたホイッスルで全員一斉にスタート


一周するタイムを個人ずつに測って記録する


走りにくい状況でもそれなりに一定のペースを保ってる



紗奈華「先ずは上々って感じかしらね」

アイス「足場が悪いのに皆大丈夫かな…やっぱり罰ゲームは無しにしない?可哀想だよ」

紗奈華「え?それがアタシの楽しみなのに?アイスは甘過ぎ…あら?」

アイス「どうしたの?」

紗奈華「なーんかコレの調子が良くないのよねぇι」

アイス「電池切れ?」

紗奈華「そうみたい。確か部室に予備があるらしいんだけど…」

アイス「部室?だったら私が取ってくる!」

紗奈華「え?」

アイス「此処からちょっと離れてるしさ、紗奈華が行くより私が行く方が確実でしょ?」

紗奈華「まあ言われてみれば…一人で平気?」

アイス「うん、大丈夫!紗奈華は皆についてて?直ぐに戻ってくるから」

紗奈華「そう?有り難う。‥アイス」

アイス「ん?」

紗奈華「本当に気を付けてよね」

アイス「大丈夫だよ。じゃあ行ってきま〜す」

紗奈華「‥…行ってらっしゃい」



ここにきてストップウォッチの電池切れ


アイスが率先して部室へと予備の電池を取りに行く


方向音痴なアタシが行くより良いかも


でも、何故かしら


アイスに鍵を渡した途端に胸騒ぎ


元気に出発する小さな後ろ姿…嫌な予感がするのは何故?
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