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□バスロマンス
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アイス「んぅー…お助けぇ…!!」

紗奈華「頑張れアイス!奴等の目的地は直ぐそこ…もう少しの我慢よι」

アイス「もう少しって…潰れちゃうよぅ;;」

紗奈華「…大丈夫、アタシも限界越えてるわ…」

『タイムサービスまで後3分を切ったわ!皆さん、張り切っていきましょう!!』

『バスを降りたら突っ込みますわよ!』


バスに乗り込んだ先は地獄だった


運良く座れたのは良い


だが、その直後に隣町のスーパーのタイムサービスを狙う主婦軍団が乗車


降り口に近かった為にあっという間に二人の座席周辺はすし詰め状態


アイスと紗奈華は窓際に追いやられ、押し潰される手前で耐えている


ギュウギュウの中で限界に達していた


遠慮を知らない主婦達の勢いは凄まじい


たった数分間すら長く感じてしまう



『さあ着いたわよ!今日の目玉はグラム100円の国産サーロイン!!絶対にゲットしてみせるわ』

『まあ奥様お目が高い!卵も野菜も開店から10分限定半額以下…これも見逃せないわ!』

『此処からは戦場…皆さん突撃!』

『突撃!!』



バスがお店の入り口前の停留場に停まった


すると一成に主婦軍団がスーパー目掛けて突入する


まだ開店前だと言うのに店の前は大勢のマダムで混雑している


まさに戦場だ


やっとの思いで解放されたアイスと紗奈華はぐったりしながら窓越しに見ていた


あの主婦達のような気力はない



アイス「ふぅ…やっと楽になれた…疲れた」

紗奈華「家計を切り盛りする主婦は大変なのねιアタシはああはなりなくないわ」

アイス「私も〜…結婚したら苦労しそうだねι」

紗奈華「あんな現実見ちゃったら結婚願望なんかなくなるわ」

アイス「でも紗奈華は景ちゃんと結婚したら苦労しなくていいかもだよ?一生マダムで居られるよ」

紗奈華「え?何であいつが出てくんのよιアタシは奴の嫁になる気なんて無いわよ、絶対に」

アイス「美男美女で何気にお似合いだと思うけどなぁ」

紗奈華「アタシの好みじゃないし有り得ない。アイスこそリョーマ君と一緒になれば?何気に分かり合ってるし」

アイス「何でリョーマ?絶対ヤだよ!意地悪だし相性最悪だから無理だよ」

紗奈華「似た者同士で良いと思うけど…アタシがあいつが嫌なのと同じかもね」


戦う主婦達の姿に結婚願望が薄れてきた


互いに推している人物を勧めるが理想とは大きく違って不発


そんな二人の理想の結婚相手とは?



紗奈華「アタシはやっぱり思いっきり愛でがいあって家事全般こなして経済力に欠けないカワイコちゃん…かしら」

アイス「私はお金持ちじゃなくてもイッパイ愛があって素敵な白馬に乗った王子様…居ないかな」

『此処に居る』

アイス・紗奈華「え?」


くたくたになって座席で凭れながら語り合うアイスと紗奈華


そんな二人の元に何者かが乱入


その正体は…
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