A
□トラブルメーカー
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一方、半獣化したアイス
原因不明な事態に困惑しながらも頼れる相棒・財前と共にラボで解決法を探すのだが……
財「セバスチャンとカーリーは白や。今見てるトーマスもロボ系やからちゃうやろな」
アイス「レイチェルもダイエットシリーズだから違う…ミゲルかな?それともジョーイ?いや、ハンクだったかも」
財「ソフィアとサラも怪しい…マックスは薬品関係みたいやからちゃうわ」
アイス「クレアかと思ったら脳内翻訳機とカメレオン通訳ナビだった」
財「脳内翻訳機って何?」
アイス「半径5メートル以内にいる人とか動物とかの心の声をキャッチして何を考えてるかを暴いちゃう装置だよ」
財「何や凄いな…カメレオンは?」
アイス「6カ国語を瞬時に訳して好きな音声に調節してお喋りするお助けナビ!もう少しスピーカー部分の調整が必要だけどね」
財「ドラ●もん並みやな。先輩は一回ノーベル賞でも貰って来いや」
アイス「いやいや作るのが楽しいだけだから…あ!バーチャルゲームはルーシーだったんだ!後で3Dにアップしよ」
財「無駄にクオリティー高っ!ソレに入ってるアプリはそこそこウケるんちゃう?」
アイス「だったら嬉しい♪でも一番のお薦めはロイの中にあるアイス光線☆ビームを浴びると凍っちゃうよ」
財「謙也さんで試してみたいわ(笑)他には…雪降らしスノーマン?床暖ならぬ床冷房って、暑いの苦手な先輩が考えそうなモンばっか」
アイス「スノーマンは皆喜んでくれると思うんだけどな…あ、ニコルとジャックは未完成のファイルだから開かないでね」
財「了解。なかなか見付からんもんやな」
アイス「だね〜何か疲れちゃった…ひかるん、ちょっと休憩しない?冷蔵庫にプリンがあるの」
財「………プリン?!」
タブレットとパソコンを駆使し、今までに開発してきた発明品や研究のデータが詰まったUSBの中身を確認中
ジャンル分けされたファイルを開いて探すもヒントすら出てこない
画面との睨めっこが続いているので軽く休憩を取ることに
備え付けのミニ冷蔵庫
アイスの発したプリンと言う単語に財前の動きが止まった
何故ならば、今朝紗奈華が作った魔界フルコースのデザートであった衝撃のバケツプリンが頭を過る
開けるのを躊躇う彼に構わずアイスは回転椅子で背後からタックルして接近
アイス「ひかるん何してるの〜?早く開けて食べようよ」
財「…アイス先輩」
アイス「なぁに?」
財「この中にあるのってもしかして紗奈華先輩の…?」
アイス「あはは違うよ。お使いを頑張ったご褒美にブンちゃんがおやつに作ってくれたの」
財「丸井さんが?」
アイス「天才的に美味しいよ!」
財「そんなに旨いの?ほな試しに食うてみよ」
アイス「わーいプリンだプリン♪」
財「はいはい、危ないからちゃんと座れや」
イチオシの絶品プリン
スプーンを探しながら回転椅子でクルクル回ってはしゃぐアイスを捕まえてテーブルへと連行する
大人しくなった所でお待ちかねのおやつタイム
財「それでは先輩ご一緒に、」
財・アイス「いただきます」
二人で仲良く手を合わせていただきます
…かと思いきや
財「何してんの?はよ食べや」
アイス「ひかるんにお願いがあります」
財「改まってなに?」
アイス「コレ、食べさせて?」
財「ハァ?何でそこまでせなアカンねん!小さい子みたいに甘えんといて下さい」
アイス「だってこの手じゃ食べれないんだもん」
財「ほなお預けやな。俺が代わりに食うたるから安心せぇ」
アイス「うぅ…私のプリンちゃん‥」
財「あーあ、もう冗談やのにその顔…垂れた耳と尻尾はズルいやん」
アイス「…うん?」
財「もうええから口開けて‥俺にこんなんさせるのは先輩ぐらいなもんやで」
アイス「ん、‥あーん」
財「どや、旨い?」
アイス「美味しい!!幸せ〜」
財「めっちゃ旨そうに食うな。手ぇ掛かるけどその笑顔見たら許してまうわ…腹立つくらいに」
アイス「へ?」
財「アイス先輩ってホンマに不思議な人」
アイス「??」
猫の手だとスプーンすら握れない
面倒だと悪態をつきつつも、ちゃんと食べさせてあげる優しい世話役
アイスには誰もが甘くなっていく