恋患い
□目的はアナタ
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舞台上に居る貴女は誰よりも美しい
どんなに綺麗で才能のある役者でも敵わない
観る人の心を惹き付けて鷲掴んでしまう貴女
俺も虜にされた輩の一部にしか過ぎない
気付いて欲しい
……やっぱり鈍い貴女で居て
どんなに願っても叶うことはないのです
〜稽古場〜
「じゃあ今日はここまで。明日は舞台で頭から通すから宜しくね」
『はい!』
『お疲れ様でした〜』
「明後日が本番だから衣装合わせや台詞を各々で頭に叩き込んでおいてね」
『晶先輩のロミオかなり楽しみです!!メイクは私に任せて下さいね』
「あ、有り難うι何時もみたいにカッコ良く宜しくね」
『はい///』
本日の稽古終了
本番が迫り時間がなく緊迫した雰囲気
その中での全体が一体となる迫真の演技は素晴らしい
つい釘付けになってしまう
「あれ?日吉くん来てくれてたんだ?」
「今日も凄く良かったですよ。お疲れ様です。晶先輩」
「本当?まあ私は思いっきり男役だけど嬉しいな。有り難う」
「役は男ですが先輩は綺麗ですし、寧ろ素敵です」
「ふふ、そんなに誉めても何もでないよ」
褒めてるんじゃない、本心だ
どこか擽ったそうに照れながら笑う先輩
その無防備な笑顔は反則…だと思う